B : 「はじめまして、授雲先生。
いつも夫婦でコラム拝見しております。本日は宜しくお願いいたします。
私は現在52歳で、最近、転勤が決まりました。

実は、その赴任先に以前一緒に働いていた元同僚Nさんがいるらしいのですが、どうしても私は昔からそのNさんと気が合いませんでした。
そのため、赴任先で上手くやっていけるかどうか不安です。
そこで、是非、そのNさんと上手くやっていくためのコミュニケーション術をお伺いしたいのです。」

授雲 : 「人事異動には目的がある事を知っていますか?
例えば、事前に異動者への通知を行うことを「内示」と言いますね。この時点では決して口外しないようにと口止めをされるはずです。つまり、変更の可能性があるからなんですね。

また、会社が人事異動を行う最大の目的は、人材・職場の活性化、規律の維持です。
今の会社に20年以上勤務されているBさんですから、自分流の作業方法が固定化していると思われます。
ですから、今回の転勤においては神経を使われるかと思います。

しかし、新しい発見もあることでしょうから良い事だと思われます。
その結果、色々な仕事を任せてもらえる事でますます信用が付き、定年後から仕事を続ける上でも自信が出来ると思います。」

B : 「はい。今回の転勤は、自分の自信を付ける上でも人生においてもチャンスだと思っています。
ただ、その赴任先には気の合わないNさんがおり、おそらく上手くいかないと思います。顔を思い出すだけで嫌でたまりません。」

授雲 : 「Nさんもあなたと同じ気持ちだと思いますね。あなたを苦手だと思っている事でしょう。
仕事は仕事です。会社においては50代になれば評価されて当然です。ピンチがチャンスです。

また、世の中には病気で仕事を失った人、家族の不幸で仕事を続けられない人がいます。
その方々に比べたら、目の前の仕事が出来る事は有難いことではないですか?感謝しなければいけませんね。
ところで、奥様は仕事をされていますか?」

B : 「はい、妻は介護の仕事を6年前からしています。今回こちらのオンライン学習も妻から聞きました。
それから、仕事の意欲が沸かない時はどのようにしたら良いのでしょうか?」

授雲 : 「職場であれば、机の整理をしたり、簡単な作業をすると段々心が落ちつきます。すると、少しずつやる気が出てくるので不思議です。
人間は出来る事が沢山あれば楽しくなるし、昔出来たことが出来なくなると落ち込むものです。人が努力するのは自分の目標に近づきたいからなのです。
今後、あなたが苦手なNさんと仕事をする際は、おおらかな気持ちを持つことが大事です。あなたしか出来ない仕事をすることでNさんがあなたに信頼を置くようになります。
すると、あなた自身もNさんに一歩近づき、お互いが感謝して仕事をするようになるでしょう。
これからは、現実に目を向けて頑張る姿勢が大事です。新しい自分への成長だと思います。
大丈夫です。きっと意欲は出てくるはずです。
今日一日あなたらしく終わったら良いのですから、一日分の頑張りで大丈夫です。焦らなくても大丈夫。
これからも任された仕事を頑張りましょう!また、苦手な人からも一目置かれるあなたになれば良いのです。」

B : 「授雲先生、本日は有難うございました。考え方を見直すきっかけになりました。」