スマホやネットから申込み、自宅まで集荷に来てくれて、自宅に配達してくれる宅配クリーニングのサービスがいくつか台頭している。ここでは、代表的なサービスの仕組みと価格を比較してみた。

衣替えの季節には、クリーニングを利用することも多いのではないだろうか。最近では、ネット社会の浸透を背景に宅配クリーニングを展開するサービスが数多く台頭してきている。スマホやネットから集荷と出来上がり時の配達の日時を指定すれば、その時間帯に家まで洗濯物を取りに来てくれて、出来上がり品を届けてくれる。一般のクリーニング店は、土日に休みだったり、閉店時間が早かったりで、仕事を持っている一人暮らしや共働きの世帯にとっては不便を感じることが多い。また、コートやセーターなどをまとめてクリーニングに出そうとすると大荷物となるため、集荷と配送の2回分クリーニング店に足を運ぶことは高齢者などにとっては大きな労力となる。その点、宅配クリーニングは非常に便利だ。しかし、この分野は非常に参入業者が多く乱立気味で、各社の料金体系やサービス内容が異なるため、どこを選んでいいかが非常にわかりにくい。

まず、宅配クリーニングは大きく3つのタイプに分類することができる(図1)。1つは、Yシャツなどの日常的な洗濯ニーズに主に対応したもので、単品ごとに料金設定されているサービスである。2つ目は、衣替えなどまとまったニーズに対応するもので、5点パックや10点パックといった形態で注文するサービスである。そして、もう1つは単品のメニューとパックメニューの両方を備えたハイブリッドタイプだ。まとめタイプでは、Yシャツなどの日常の洗濯物を取り扱っていない場合があるので注意が必要だ。

図1.宅配クリーニングの分類

まずは、日常タイプの代表的な宅配クリーニング各社のサービス概要を図2にまとめる。それぞれにサービスを提供する地域、取扱品、特典などが異なる。例えば、リネットとリアクアでは、同様に月額300円のプレミアム会員の制度があるが、リアクアは1点ごとにプレミアム会員向けの割引料金が適用されるのに対して、リネットでは1点ごとの料金は統一だが400円の回数券9枚の年間パスを特典としている。
ココデカウは、日常生活の消耗品を取り扱うオンラインショップだが、自社便であるエコ配送便を活用して宅配クリーニングを東京23区限定で展開している。特徴的なのは、アイテムごとに申し込む通常の個別利用に加えて、定額制の定期配送サービス会員の制度を運用している点である。

図2.宅配クリーニング各社のサービス概要

会員制度、特典、配送料金が無料になる条件などがそれぞれ異なるため、自分のライフスタイルに照らし合わせて、一度にどれくらいの点数を依頼するのか、どれくらいの頻度で依頼するのかなどを考慮して、選ぶと良いだろう。