第12回
マルチハビテーションという暮らし方
2014.02.24 [内山 悟志]
長年都心で暮らす筆者も、「終の棲家(ついのすみか)」という言葉が頭をよぎる年齢になってきた。エイジレスなライフスタイルの1つとしてマルチハビテーションという暮らし方について考えてみたい。
マルチハビテーションとは、複数の(multi)住居(habitation)という意味であり、2つ以上の生活拠点を持つ暮らしを指している。完全にどこかに移住するのではなく「平日と週末」「都心と郊外」「都会と田舎」「暖かい季節と寒い季節」「日常と非日常」「国内と海外」など、時期や目的に応じて居住する場所を使い分けるものである。また、狭義には、総務省が推進する地方の過疎化対策のひとつで、人口流出や高齢化の進む地域の再生のために、観光と定住の中間形態であるマルチハビテーションを「交流居住」と位置づけ、都市生活者の地方への半定住を促進するものである。
一言にマルチハビテーションといってもいくつかの形態が存在する。まずは、仕事を持っているか、すでにリタイアしていて仕事を持っていないかの違いがある。そして、居を構える場所として、主に都市部と国内の地方または海外というパターンが考えられる(図1)。
図1.マルチハビテーションの主なパターン
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