第27回
北海道の大自然1100キロの旅
2014.10.06 [内山 悟志]
人気の国内旅行先として北海道は定番の1つであることはいうまでもない。今回は、夏休みを利用して3泊4回で行った北海道の旅を紹介する。
筆者は、ここ何年か夏休みの時期に必ず北海道を旅している。都心の暑さから逃避するためでもあり、引退した大先輩を訪ねるためでもある。今回は、レンタカーを借りて3泊4回で道央から襟裳岬、帯広、富良野、洞爺湖などを巡る1,100キロに及ぶロングドライブを敢行した。
千歳空港に午後3時半に着き、最初に向かったのは新冠温泉だ。今回の旅の目的の1つである襟裳岬に少しでも近づいておきたいとの思いで1泊目の宿泊地に選んだ。日高本線と並行して走る国道235号線を約2時間の道のりである。新冠町は太平洋に面した小さな町で、たくさんの牧場があり競走馬の産地として有名だ。日高地方は温泉の少ない地域だが、その1つである新冠温泉「レ・コードの湯」に宿泊した。
襟裳岬
翌日は、長い移動を予定していたため早朝から襟裳岬を目指した。これまで何度も北海道を訪れているものの、襟裳岬には行ったことがなかったため、今回こそは外せない立ち寄り地だ。森進一のヒット曲「襟裳岬」で「襟裳の春は、何もない春です♪」と唄われているとおり、本当にこれといって何もない岬であったが、見どころとしては、「風の館」の設置された望遠鏡からアザラシが観察できる。襟裳岬には、日本沿岸に定住する唯一のアザラシであるゼニガタアザラシが生息している。この日も岬から連なるいくつかの小島の上にいる数頭のアザラシの姿を確認できた。
ばんえい競馬
上札内の六花の森のレストハウスでのランチ、幸福駅などを経て、次に向かったのは帯広だ。帯広では、ばんえい競馬を観戦した。ばんえい競馬とは、競走馬がそりをひきながら力や速さなどを争う競走であり、現在、日本国内の公営競技(地方競馬)としては帯広市が主催する「ばんえい競馬(ばんえい十勝)」のみが行われており、世界的にみても唯一となる形態の競馬である。一般的な競馬の競走馬と違って、騎手と重量物を積載した鉄製のそりを曳くばんえい競馬の競走馬は、古くから主に農耕馬などとして利用されてきた体重約800~1200kg前後のパワフルな「ばんえい馬(ばん馬ともいう)」であり迫力満点だ。2日目は帯広から狩勝峠を越えて富良野に入り、大先輩と合流し、3万5,000坪の広大な敷地に25部屋のみという解放感に満ちたフラノ寶亭留に宿泊した。
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