今だからこそ考えよう~自分に合った食事と運動のいい関係

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第10回
お肉を食べよう

今回は、人が生きていくために必要であることはもちろん、健康的なダイエットに欠かせない「タンパク質」についてお話します。タンパク質には、「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」がありますが、今回は「動物性タンパク質」についてです。

タンパク質は、肉や魚類に多く含まれており、消化される過程で分解され、アミノ酸となって小腸壁で吸収されます。アミノ酸は、臓器や神経伝達物質、また筋肉の元となる成分です。
牛肉や豚肉の赤身、また鶏むね肉やもも肉(いずれも皮なし)は、赤身が強く脂肪分が少ないため、カロリーも低めで、特にダイエットにおススメです。
また、赤身の強い肉には、鉄分が多く含まれています。肉の中に含まれる鉄は、「へム色素」という成分と結びつき、血液中では「ヘモグロビン」となって酸素を体内の組織に運び、筋肉内では「ミオグロビン」となって酸素を蓄える働きをしています。ミオグロビンによって蓄えられた酸素は、代謝に必要となります。

ですから、ダイエットのためにいくら頑張って運動を続けても、タンパク質を摂取しなければ、ダイエット後に体型を維持するのが難しくなるでしょう。タンパク質は、基礎代謝を維持するために重要な役割を果たしているからです。
また、運動後にタンパク質を摂取するのが好ましいといわれるのは、使った筋肉を修復するために必要だからです。運動後、特にタンパク質を摂取することを心がければ、より効果的なダイエットができるはずです。

では、肉や魚によって、どんな栄養素と働きがあるのでしょうか。それぞれ見てみましょう。

<牛肉>

鶏肉や豚肉に比べ、鉄分、ビタミンB12、亜鉛、カルニチンが多く含まれています。
しかしその一方で、飽和脂肪酸の割合が高く、必須脂肪酸(皮膚や血液など体全体に必要なものの、体内で作り出すことができないため、食事で摂取しなければならない成分)の割合が低い肉類です。
飽和脂肪酸の取り過ぎは、血中の悪玉コレステロールを増加させ、肥満や脳卒中などの生活習慣病を招く可能性がありますので、適度な摂取を心がけることが必要です。

<豚肉>

牛肉や鶏肉の10倍以上ものビタミンB1を含んでいます。ビタミンB1は、炭水化物をエネルギーに変える際に必要不可欠なビタミンです。
また、脂肪に必須脂肪酸が高く含まれているのも特徴です。

<鶏肉>

牛肉や豚肉よりも、ビタミンA、パントテン酸、コレステロールが豊富です。
脂肪は、牛肉や豚肉よりも飽和脂肪酸の割合が低く、必須脂肪酸の割合がより高いことが特徴です。

<魚肉>

大きく分けると、白身魚と赤身魚があります。
白身魚は、赤身魚に比べ脂肪分が少なくカロリーが低いのが特徴ですが、脂肪分が少ないため、赤身に比べEPAやDHAが少なくビタミンAも少なめです。
赤身魚は、タンパク質の代謝に欠かせないビタミンB6だけでなく、B1、B2、またナイアシンも豊富に含まれていますが、白身魚に比べるとカロリーは高めです。

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