第21回
野菜の部位による栄養価の違い
2012.03.21 [大西 ひとみ]
野菜には、葉と茎と根がありますよね。私たちが食べている野菜の栄養は、植物が生きるために必要な栄養素でもあり、必要な部分に必要な分だけ蓄えているのをご存じでしたか?
野菜は、部位によって栄養成分や量が違います。
土壌に存在するミネラルは、水に溶けた形で根から吸収され、茎を通り、そして水分の蒸発が一番多く行われる葉の部分で濃縮されます。ですから、一般的にミネラルが多く存在するのは葉で、次は根です。美容や健康を保つ上で注目される抗酸化作用のあるβカロチンやビタミンE、ビタミンCなどは、光合成を行う葉の部分に多く、光合成をしない根の部分には少ない成分です。
大根など、主に根を食べる野菜の葉を捨てる人が多いようですが、大根の葉にこそ美容や健康に効果のある栄養素がたっぷり含まれているのです。大根の葉を使った料理は、第19回のレシピでもご紹介しています。参考にしてください。
なお、ニンジンのように根の部分にβカロチンが多い野菜もあります。
また、鉄分は光合成を行う葉緑素を作るために必要な成分ですが、ほうれん草のように葉よりも根に鉄分が多いなど野菜もあり、野菜の種類によって部位の栄養成分は異なります。
皮の部分は、実の組織を支える役割があるのでかたいですが、かたい部分にはそれだけ食物繊維が多く含まれています。さらに皮は、日光が当たる分だけ実の内部よりも抗酸化作用のあるビタミンや香り成分などが豊富です。
オーガニックの野菜は農薬が使われていないので、安心してほとんどの野菜を皮まで無駄なく食べることができ、美容や健康を保つためにもお勧めです。普段捨てがちな野菜の部位をうまく調理すれば、お財布にも体にもよく、エコロジーにもなるということですね。
野菜が部位によって栄養価が違うように、人間の体もどんな部位を使ってどんな運動を行うかによって効果が違います。筋トレのように筋肉を鍛える運動は、基礎代謝を上げるので、食べても太りにくい体を作ります。ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動は、たまった脂肪を燃焼する効果があります。
健康でいつまでも若々しくいるためには、筋トレと有酸素運動の両方を上手に取り入れることが必要です。食べ過ぎてしまった次の日は、少し多めに有酸素運動をすれば体重の維持がしやすくなります。
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