第17回
ダイエットのための油選び
2011.12.13 [大西 ひとみ]
前回、ダイエットに必要な脂肪についてお話しましたが、今回は体に「いい油」と「悪い油」についてです。
脂肪を過剰に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になることは、皆さんもご存じだと思います。脂肪は、意識して取らなくても無意識のうちに摂取しているので、どちらかというと控えることに注意する方が大切です。
ただ、前回でも触れましたが、脂肪は摂取しなければ体に害を及ぼすだけでなく、ダイエットにも影響を与えます。脂肪を極端に排除するような食生活を送っていると、脂溶性のビタミンが吸収されづらくなったり、便秘の原因になったりします。女性の場合、月経が不順になったりすることもあります。ダイエットや美容の観点から見ると、老化を防ぐといわれている脂溶性のビタミンEの吸収が悪くなり、便秘になることによって毒素が体内に溜まり、肌が荒れたり痩せにくい体質になったりしてしまいます。
そこで、さまざまな油の特徴と効能についてご紹介しましょう。
①脂肪を溜めにくくする油
体内の不要な油を分解し、脂肪を溜まりにくくする働きをするのが「αリノレン酸」です。エゴマ油、しそ油、亜麻仁油などに多く含まれ、体内で作ることのできない成分なので、食品から取る必要があります。
αリノレン酸は、加熱すると酸化して体に有害な過酸化脂質という物質に変わってしまいますから、料理で使用する場合は、加熱せずそのまま使うことが大切です。
また、酸化を防ぐために、冷蔵庫など冷暗所に保存しておくことをお勧めします。
②気をつけた方がいい油
「リノール酸」は、サフラワー油、大豆油、ごま油などに多く含まれています。近年まで体に良いとされていましたが、過剰に摂取すると、血液中のコレステロールを低下させる本来の作用が作用しなくなったり、善玉といわれるHDLコレステロールが低下したり、また動脈硬化を促進するともいわれています。
③中性脂肪を減らす油
魚の栄養は健康面において多くの効果があることで知られていますが、ダイエット面においても嬉しい効果があります。魚(特に青魚)には、「IPA(イコサペンタエン酸)」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」などが多く含まれていて、これらが中性脂肪を減らす効果があるといわれているからです。
αリノレン酸と同じく酸化しやすいので、できるだけ新鮮な物を食べるように心がけるか、煮付けにするなど脂肪が外に逃げないように調理することで効率よく摂取できます。
④便秘を予防、解消してくれる油
オリーブオイル、オリーブ、キャノーラオイル、カシュナッツ、ピーナッツ、ピーナッツバター、アボカド、アボカドオイルなど、植物油やナッツ類に多く含まれている「オレイン酸」は、便秘予防や解消に効果があるといわれています。
オレイン酸は加熱しても酸化されにくいので、さまざまな料理に使えます。
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