旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第4回
梅雨時期の虚弱体質、栄養保持に真っ赤なトマトでパワーアップ

年々、トマトの品種が増え、一つのスーパーで取り扱っているトマトの品種平均は10~30種とも言われています。大きなサイズのものからマイクロトマトと呼ばれる極小のもの、酸味の強いものからフルーツ並みに甘いものまで様々です。簡単なレシピと共に、トマトについての魅力をお伝えします。



■「トマト」の歴史

原産地はペルーやアンデス山脈などの中南米と伝わっており、欧米では生食よりも主に料理のソースとして使われています。日本には、17世紀には伝わっていたようですが、観賞用として普及はせず、江戸時代の古い文献にも、「唐ガキ」として観賞用の植物として紹介されていました。食用として本格的に栽培されるようになったのは、洋食文化が根付いてきた明治時代からと言われています。また昭和初期にアメリカから桃色系の大粒のトマトが伝わり、日本の土地風土から日本独自のトマトの品種が増えて行ったようです。近年、日本で独自に開発されたトマトの品種は約120種にも及びます。

■「トマト」の特徴

トマトは、「野菜なのか?果物なのか?」とよく論議されていますが、農林水産省の定義によると、ナス科トマト属の「野菜」になります。トマトは栽培の際、一般に水分を多く与えると、やや酸味の強いトマトになり、水分をほとんど与えずに育てたものほど糖度がフルーツ並みに高くなると考えられています。「シュガートマト」や「フルーツトマト」と呼ばれる品種が糖度の高いトマトの代表です。昭和時代は桃色系の大ぶりのトマトが主流でしたが、昭和50年ごろから飛行機の機内食用に開発されたミニトマトが大ブームとなり、定番野菜となりました。また平成に入って、トマトの栄養の研究も含み、完熟した真っ赤なトマトほど、抗酸化作用の強い「リコピン」の含有量が高いとされ、それまでの桃色種と変わって、真っ赤な完熟トマトが主流となりました。現在のスーパーで主流の「桃太郎トマト」は品種ではなく、完熟トマトの総称です。桃太郎トマトの特徴としては、果肉がしまって、果皮も丈夫で、収穫してからも崩れにくいことが挙げられます。栽培側も流通も、そして購入する生活者側からも扱いやすいと重宝され、近年の主力トマトとなって行ったようです。

■「トマト」の栄養など

「トマト=リコピン」はもう一般常識になりつつありますが、リコピンはポリフェノールの一種で赤い色素成分です。昼夜の寒暖差が大きい産地のトマトほど、赤色が濃く出て、リコピン含有量が高くなると考えられています。リコピンは抗酸化作用があることでお馴染みですが、体内の活性酸素の発生を抑える効果が期待されており、解毒作用や、日焼けによるダメージから体内や肌を守り、美白作用としても知られています。
緑黄色野菜に分類されるため、カロテンが豊富で、他にビタミンCも含まれます。カロテンやビタミンCにも皮膚を健康に保つ効果が期待できます。また梅雨時期や、夏場は虚弱体質になりがちですが、疲れを取るカリウムも豊富に含まれているので、梅雨から夏にかけての体力維持にも役立つ野菜です。



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