旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第25回
「葉ニラ」とアオヤギのぬた風和え物

6月は雨の日と晴れの日で温度や湿度が違い、暑さも増してくる時期ですね。ニラはスタミナUPにいい野菜と知られ、今の時期にもピッタリな野菜です。冬のイメージが強いニラですが、夏場に収穫されるニラは「葉ニラ」と呼ばれ、葉がしっかりとしている分、違った歯ごたえが楽しめます。


■「ニラ」の歴史

ユリ科ネギ属の植物で、原産国は東南アジアや中国説が有力です。中国では3000年前から栽培されており、日本には9世紀頃、中国から伝わり、古くから食べられている野菜です。成長が早いので、年に数回収穫でき、年中出回っています。1番取りと言われる1~2月のニラが本来の旬と言われていましたが、育ちやすいことから、通年野菜として親しまれています。夏場のニラは「葉ニラ」と呼ばれ、冬の物よりも葉がしっかりとしており、炒め物、蒸し野菜などに適しています。

■「ニラ」の特徴

中国では薬草として古くから漢方で親しまれており、葉は冷え予防や、整腸作用が期待できます。また外用として、皮膚組織をひきしめる収れん作用もあるため、小さな切り傷や虫刺されに、葉の汁をつけると改善されると伝わっています。
ニラの種類は、「黄ニラ」や「花ニラ」があります。黄ニラは大変貴重なことから、高級野菜として高級中華料理の食材として扱われています。また「花ニラ」はニラの先に花がついたもので、お浸しにして、日本料理の彩として用いられています。黄ニラは高知県の名産品、花ニラは大分県の名産品です。

■「ニラ」の栄養など

ニラ独特の匂い成分はアリシンと硫化アリルです。アンチエイジングや、疲労回復、血行促進、不眠症予防、風邪予防効果などが期待できます。鉄分も摂取できますが、植物性の「非ヘム鉄」となるので単品だと体への吸収が弱いので、お肉や魚介類などから採れる「ヘム鉄」と一緒に摂ると効率的に鉄分補給ができます。貧血やスタミナUPに効果が期待できるでしょう。また収れん作用があるため、体内の各器官の粘膜を強化し、皮膚細胞の健康保持にも役立ちます。肌荒れや胃もたれなどの改善や予防にもいいでしょう。



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