旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第31回
「白瓜」と海老の山椒煮

秋とはいえ、残暑で暑い日が続く9月は、まだまだウリ科の野菜が市場に並んでいますね。「白瓜」もその一つ。季節の野菜なので、一般には知らない方も多いかもしれませんが、スーパーの野菜売り場で購入できます。季節の日本料理に使われる食材ですが、味が淡泊なので、山椒などアクセントのある香味と一緒に煮こむと、風情のある逸品がご自宅でも味わえますよ。

■「白瓜」の歴史

原産地は、インドや中国南部と伝わっています。奈良時代には日本に到来しており、平安時代の『延喜式(えんぎしき)』や『和名抄(わみょうしょう)』という古い書物に記述が残っています。その頃より、奈良では漬物にしており、名産品である「奈良漬」の主要野菜として現代まで受け継がれています。江戸時代から明治時代にかけて栽培面積が広がっており、長野県の沼目白瓜(ぬまめしろうり)、香川県の讃岐白瓜(さぬきしろうり)、鹿児島県の隼人瓜(はやとうり)などはその土地の伝統野菜として名産品になっています。

■「白瓜」の特徴

ウリ科キュウリ属の野菜で、熟してもメロンやカボチャのように甘味はなく、淡泊な味です。水分はキュウリよりも少ないため、煮物や炒め物にも使われています。店頭では、黄色っぽいものや、淡いグリーンのものが多く、いずれも完熟すると果皮が真っ白になることから、「白瓜」と呼ばれているようです。一般に長さ20cm前後、直径3~7cm程度の円筒形や、洋ナシを縦長にしたような形のものが多く見られます。
皮にツヤがあり、持った時に重みのあるものが良品です。傷や変色のあるものは、そこから傷みやすくなるので、購入時にチェックしておきましょう。

■「白瓜」の栄養など

白瓜は95%が水分で、カリウムが豊富です。カロリーも100g中15kcalと極めて低く、ダイエット食に向いているでしょう。カリウムは心臓の働きや筋肉の働きをコントロールする作用、またナトリウムを体外に排出する作用もあります。生活習慣病が気になる方や、塩分の摂りすぎが気になる方にはオススメの野菜です。しかし、漬け物など塩分と一緒に食すことが多いので、白瓜を漬け物にした場合は食べ過ぎないように注意しましょう。



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