文化とアートのある暮らし

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第22回
楽器を手作りしてみえること

まだまだ梅雨の真っただ中ですが、そんな中で晴れ間が差し込むと気持ちが良いですね。

非常勤講師として関わっている大学で、ある演習の中で生活用品や廃材から楽器を作っています。
身近な素材から音が鳴るものを創作することはずっと昔よりされていることですが、遊び心で廃材に触れて何かを創作するということは大人になればなるほど機会がありません。
そんな中で、この演習はあえて楽器を手で作ることをコンセプトに試みているのですが、創作楽器は何を素材にするかは自分がその時に出会うものとの運があり、廃材置き場や他の場所でも、身の回りに素材になりそうなものが少ないと収穫は少なく、どんな状態のところでどんな時に宝を見つけるか、それはそれは嗅覚が優れている犬のような気持ちで日常にアンテナを張り巡らします。
また、飲み終えたペットボトルや空のビンなんかも音が鳴り、物を選ばずどんなものでも叩けば音が鳴りそこらじゅうに音楽の卵は存在しています。
演習中、ある班は自転車の車輪を、またノートパソコンを拾い分解していきました。
他にはペットボトルに水とビー玉を入れ、ビー玉が落ちる速度を浮力で遅くした仕掛けがあるものも。そして空き缶やワイングラスをヴァイオリンの弓(弓替え寸前のもの)で奏でたり。なかなかきれいな音が出ます。


ストローに少し切り込みをいれてぐにゃぐにゃとしならせるだけで音が鳴ります。
本当にただ切っただけなのに先が尖った方を口に加えて吹くとサックスのように大きな音が鳴ります。

家に既存の楽器がなくても、ほんの遊び心があれば魅力あふれる音をかなり楽しめます。
また、マイクで拡張しなくても物を選べば自然の音で爆音を出すことも可能で、逆に糸一本で摩擦を起こして繊細な音をつくることもできます。
こうして実験していると、当たり前の物理現象でさえ普段は通り過ぎてしまうことに気づきます。



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