写真家・秋野深のやさしい旅のフォトレッスン

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第24回
時にはモノクロ写真で旅先の風情を上手に表現してみよう!

読者の皆様の中で、モノクロ(白黒)写真も撮影される方はどれくらいいらっしゃるでしょう? 写真を熱心に撮影するのは旅行に行ったときくらい・・・という方であれば、おそらくモノクロ写真の撮影経験はあまりない方が多いのではないかと思います。
もっとも、色彩の美しさに惹かれて「ここで撮っておきたい!」というような場面では、カラーで撮影するのがごく自然なことですが、旅先でも時にはモノクロで撮影する発想を持っておくと、ご自身の写真に新たな表現を加えることができると思うのです。
これまでモノクロ写真を撮影されたことがない方も、ぜひ今回のレッスンの内容を思い出して、旅先でモノクロ写真に挑戦するきっかけにしていただければと思います。

■ほとんどのカメラにはモノクロ(白黒)モードがついています!

モノクロモードを使ったことがない方も、ご自身のカメラのモノクロモードを一度確認してみてください。一眼レフカメラやミラーレスカメラはもちろんですが、コンパクトカメラにも、たいていモノクロモードはついていると思います。
カメラによってかなり違いがありますが、「風景」「夜景」「スポーツ」など撮影シーンを選ぶモードの中でモノクロモードが選べるタイプや、「セピア色」「絵画調」など色彩や写真の雰囲気を変えるモードの中で選べるタイプがあるようです。

■モノクロ写真が初挑戦なら、まずは歴史が感じられるものから!

いきなりモノクロ写真に挑戦と言われても、肉眼ではカラーで見えていますので、ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。日頃からモノクロモードを使って撮影したり、他の方のモノクロ写真をいろいろと見たりしたことがある方でなければ、目の前の光景をモノクロモードで撮撮してもどんな感じの写真になるのかは、ちょっと想像しにくいですよね。


【写真1】


そこで、初めての方でもとっつきやすいかなと思えるのが、「歴史が感じられる被写体」です。身近なところでは【写真1】のような寺社仏閣がわかりやすいかもしれません。モノクロ写真は、色彩ではなく、白黒の濃淡だけで表現される描写です。当然、きらびやかさや新しさのようなものは感じにくくなりますので、まずは、派手さや色の美しさはなくても惹かれる雰囲気のある被写体から始めてみてはいかがでしょうか。


【写真2】


【写真2】のような遺跡、【写真3】のような古い街並みの一角なども、モノクロ写真にすることで雰囲気が引き立つ場面でしょう。


【写真3】


同じ場面での撮影でも、モノクロ写真はカラー写真とは違った思い出を残すことができる、ともいえます。色の情報がない分、それ以外の記憶や思い出だけがシンプルに残りやすいという面があるのかもしれません。
旅先で撮影する写真にモノクロ写真という新たなバリエーションが加われば、撮影の時間も旅の後に写真を見返す時間も、きっとさらに楽しいものになることでしょう。

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