写真家・秋野深のやさしい旅のフォトレッスン

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第25回
ホワイトバランスの機能を使って紅葉を色彩豊かに表現しよう!

11月に入り、これから本格的な紅葉のピークを迎えるところも多いことでしょう。前回のレッスン24ではモノクロ(白黒)写真について触れましたが、今回は、紅葉の美しさを色彩豊かに表現するカメラの機能についてお伝えします。
カメラについている様々な機能の中で、色彩に対する影響が大きいものとして「ホワイトバランス」があります。コンパクトカメラでもホワイトバランス機能はついているものが多いですので、詳しいことはわからないという方も、今回のレッスンをきっかけに、ぜひ挑戦してみてください!

■ホワイトバランスの設定を変えると色彩が変わります!

ホワイトバランス(略してWBと表示されていることもあります)は、簡単に言ってしまうと、色彩の調整機能のようなものです。細かく理解しようとすると「色温度」という少し難しい話になってしまうのですが、このホワイトバランスの設定を色々変えて撮影してみると、がらりと写真の色彩が変わるので、まずは試してみると違いが実感しやすいと思います。
カメラの中のホワイトバランスの設定を探してみると、「晴れ(晴天)」「くもり(曇天)」「日陰(晴天日陰)」「蛍光灯」などいくつかの天気や光の種類があることがわかると思います。これを変えてみると、写真の色彩が変わるのです。

■晴れた日の紅葉も、あえて「曇り」や「日陰」の設定で撮ってみよう!

ホワイトバランスの設定を何もしなければ、たいていのカメラでは「オートホワイトバランス(AWB)」といって、カメラの判断に任せた色味になります。紅葉を撮影したとき、「もっと赤い色がしっかり強調できたら・・・」、「色濃く表現したい・・・」と思われた時には、ホワイトバランスの設定を「曇り」や「日陰」にしてみてください。


【写真1】


【写真2】
【写真2】
【写真3】
【写真3】

【写真1】はホワイトバランスの設定を「オート」にして撮影した写真です。【写真2】はホワイトバランスの設定を「曇り」にして撮影した写真です。比べてみると、写真全体の色味がかなり違うことがおわかりいただけると思います。さらに、「日陰」に設定すると、わずかな違いですが、「曇り」の設定より色濃く写ります。【写真3】

どれくらい色彩を強調するかは、撮影する方の個人的な好みによるところが大きいですので、まずは、試して違いを実感してみることが大切です。被写体となる紅葉そのものも様々な色彩を持っていますし、しっとりと落ち着いた色づき方に惹かれることもあれば、とにかく派手な色鮮やかさに目を奪われることもあるでしょう。
今年の秋は、ホワイトバランスの設定を変えてみて、ぜひご自身の好みの色で美しい紅葉を表現してみてください!

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