第4回
少女たちの羅針盤
極上の青春ミステリー
2011.05.17 [島 敏光]
僕は今、いてもたってもいられないという気分で、この原稿を書いている。
極上の青春映画を見た。
大声をあげて「日本映画もスゴイぞ」と叫びたい。
この映画に登場する「羅針盤」は高校生が作った劇団の名前。
命名の理由はなかなかトンチが利いているのだが、ここで種明かしするのは止めておこう。
いや、申し訳ないが、それ以外の様々な種明かしも止めておこう。
この映画はぜひスクリーンで見てもらいたい。
演劇部の先輩たちのやり方に不満を募らせた女子高生たちが、自分たちで小劇団を立ち上げる。
発表の場を失った彼女たちは、ストリートで芝居を始める。
ストリート・ミュージシャンは色々な映画に登場したが、ストリート・アクトレスは珍しい。
不慣れな演劇空間で右往左往する少女たちの「コアな青春」がおじさんの胸にも突き刺さる。劇中劇のキレもいい。
主役は成海璃子。
なるみりこと読みます。これは基本。ちゃんと覚えておきましょうね。
あとの3人は忽那汐里(この人はつくなしおりと読みます)、森田彩華、草刈麻有。
全員の名前を知っていた人は、美少女検定1級を差し上げましょう!
映画ファンの間では元々、成海の演技力には定評があったが、他の3人も決してヒケを取らない。
すべての台詞がリアルで本物の匂いがする。
その青春映画と平行して、一方では殺人事件が起こり、かなりトリッキーなミステリー映画の様相を呈してくる。
ミステリーは極上とまでは言えないがなかなかスリリングに仕上がっている。
つまりこの映画は一人前で二度おいしいカツカレーなのだ。
激ウマのカレーライス(青春映画)に、こだわりのカツ(ミステリー)が乗っている。
バランスもいい。
以上、映画レポート終わりっ!
実に何とも感情的な文章になってしまったが、僕の興奮が伝われば、それでいい。
僕にとって、今年見た映画の中で「英国王のスピーチ」「八日目の蝉」などの名作を抜き、ぶっちぎりのトップだ。
「少女たちの羅針盤」
では、ここで問題です。
なぜ少女たちは劇団に「羅針盤」という名前を付けたのでしょう。
(ヒント)登場人物の名前は楠田瑠美、江嶋蘭、北畠梨里子、来栖かなめです。
答えは、次回のこのコーナーで!
☆☆☆☆
(☆は1~5、3つが平均)
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