第8回
小気味のいいフレンチ・アクション
「この愛のために撃て」
2011.08.02 [島 敏光]
暑い夏ですね。
体も脳も溶けはじめました。
こんな時は冷房の効いた映画館で
楽しい映画を見るのが何よりです。
ただし念のために、上に羽織るものを一枚、
持って行きましょう。
冷やしすぎの映画館もありますからね。
この夏、僕の一番のおすすめは「この愛のために撃て」。
フランス映画で、しかもタイトルが気取っているので、
ちょっと引く人もいるかもしれませんが、
中身は全然気取ってませんから。
凶悪な犯罪事件に巻き込まれ、身ごもった妻(エレナ・アナヤ)を
誘拐されたしがない看護士(ジル・ルルーシュ)が、
妻を助けたい一心で、巨大な悪の組織にがむしゃらに立ち向かう。
物語は二転三転、四転五転、六転七転……
小気味よくどこまでも転がっていく。
思い入れ、アートな映像、余韻などは一切無視。
僕はこういう映画を「エゴのない映画」と呼んでいる。
黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」に通じる面白さがある。
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