第33回
お気に入りのプログラム ジェーン・フォンダの巻
2013.05.14 [島 敏光]
僕はついにプログラムの収集にけじめをつけた。
理由は単純。
もう保管する場所がないからだ。
僕は今から半世紀ほど前に
「おかしなおかしなおかしな世界」を見て、
そのプログラムを買い、
映画とプログラムのとりこになった。
それからせっせと映画を見続け、
お小遣いをはたいてプログラムを買い続けた。
コレクションの特性は
「減らない」
ということである。
ひたすらに増え続ける。
いつしかその数は10000冊にふくれ上がった。
部屋の中はプログラムで埋もれ、
足の踏み場どころか、生活のスペースさえ失われていく。
これではいけない。
いつか窒息してしまう。
どこかで区切りをつけなければならないと思い、
2001年から断腸の思いでプログラムの購入をストップ。
20世紀のプログラムだけにしぼり、
あとは買いそびれた古いプログラムを補充するだけ。
と固く心に誓った。
これでようやくプログラムの無間地獄から解放された。
コレクターはいつも忙しい。
プログラムの収集を止め、
体は大分楽になった。
休みの日や仕事の合間に「ぴあ」を見つめ、
銀座、新宿、渋谷、池袋、六本木……
時には大森やお台場あたりまで足を伸ばしていたのだ。
金銭的にも少し楽になった。
月に平均¥500×20冊=約¥10,000が浮く。
年間では約12万円!
夫婦で海外旅行ができる。
その膨大なプログラムの中で
どれが一番気に入っているか、
と尋ねられても、答えようがない。
僕にとってはどれも均等に美しく、貴重で、愛らしい。
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