第16回
女性への指導・育成のコミュニケーション
2013.02.12 [西澤 史子]
コミュニケーションが多様化している今、目的と対象に合った実践的コミュニケーションはとても重要です。中でも指導・育成のコミュニケーションは、それが男性から女性に対する指導・育成である場合、通常よりさらに高度なコミュニケーション手法が求められます。
先日、ロンドン五輪代表を含む柔道女子のトップ選手15人が、元代表監督から暴力やパワーハラスメントを受けたと告発した問題がありました。
私は、指導者や上司、教師等の指導・教育に携わる職業や立場の人からの暴力(言葉による暴力も含め)を絶対に反対します。
「力」を用いたコミュニケーションは、一見、結果が出たように見えても、それは力への恐怖から仕方なく服従しているだけであることが多々あります。
また、そのような支配的なコミュニケーションを強要された相手は、想像以上に心理的なストレスを感じ、深刻な心のダメージを負ってしまったり、時には自分より弱い者に対して虐待や暴力を行うことでストレスアウトをしてまうことも少なくないのです。
本当に相手のことを考え、成長をしてほしいと願うなら、叱り、指導することは大切です。しかし、そのような立場にある人は、きちんと正しいコミュニケーション・スキルを学び、会得していることはもちろん、相手の年代、性別、立場に応じ、手法を柔軟に切り替えて対応すべきなのです。
今回と同様に、男性指導者・管理職からの女性社員、女性スタッフに対する指導・教育的コミュニケーションの機会は、社会進出および活躍する女性が増えるに従って増加しています。
その場合は、男女の指導者がチームとなり、指導・教育に携わることが理想です。
女性に対する指導・育成を目的としたコミュニケーションをする場合、まず目指してほしいのゴールが、その対象となる女性にきちんと理解されているかどうか確認するフォロー・コミュニケーションをきめ細かく対応してください。指導、育成のスタートでゴールを共有していたとしても、その過程で意識のずれや不信感が生まれていることは珍しくありません。むしろ、スタートから変わらないモチベーションで指導、育成を受けているのは稀なケースと言えるでしょう。
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