コミュニケーション達人への道

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第80回
“間”は相手が話を理解する時間

フレッシュな新入社員があふれる4月が終わり五月病の季節です。
最近はハードな新人研修を実施する企業は減っているものの、まだまだ研修真っ只中という新入社員やその研修実施中という人が多いのでは?

営業の研修と言えば飛び込みや名刺交換アタック。いまでもたまに新しいスーツを着た新人さんに「研修の一環で・・・」と名刺交換アタックをされたりします。
服装だけでなく、明らかに新人営業だなと判断されてしまうのは、覚えたてのセールストークを一方的に自分のペースで話す話し方をしてしまうからです。
相手のリアクションを確認しながら営業トークを会話の様に進めていく話法は思った以上に難しいもの。私の経験上、自分ペースで相手のリアクションを観察せずに一方向的にその製品やサービスを滔々と語る営業は大抵新人です。ベテラン営業は相手が話を理解する間を作り、リアクションができる様に話を展開し、興味喚起のポイントをつくっていきます。そしてこれは営業トークだけでなく、人を惹きつけ、巻き込む力を持っている人に共通する話し方です。

人が一方的に話を聞くことに堪えられる時間は最長で3分程度です。だから3分間スピーチや3分プレゼンなど3分間に内容をまとめて話すトレーニングはとても大切です。
ただ、私の感覚として現在は会話や電話という音声による言語コミュニケーションの機会が少なくなっている為1分程度が一方的に話を聞ける長さではないかと感じています。1分以上の話になる場合は文章を切り、そこに間を作りましょう。
相手が理解をしているか、興味があるかないか、退屈していないか等を判断しながら進めていかないと、「話」ではなく「音」として処理されてしまう確率が高くなります。これはおしゃべりで「話が得意」「話上手」と自分で思っている人ほど注意してください。

以前何かの飲み会で、元お笑い芸人の「自分は話が上手で何時も場を盛り上げられる」と豪語していた男性が一方的に20分も30分も自分の話を続けていました。
もちろん、元お笑い芸人というだけあって笑いも取るし、盛り上がりもしているように見えましたが、実は参加していた人の笑顔は引きつり疲れ切っていました。けれど、この人は「今日も盛り上げた」と達成感にあふれた発言をしていたので冷静に自分と周りを客観視する目を持たなくてはと感じたものです。

では話に間をつくるポイントをまとめます。

  1. まず、話の速度は相手の速度に合わせる。
  2. ゆっくり話す人はゆっくり目に、早く話す人はスピーディにと相手の話す速度に合わせて話しましょう。
  3. 一方的に話す長さは1分までにまとめましょう。
  4. 一文が終わったら2秒程度の間をあけましょう。また、内容が一区切りしたら3秒~5秒程度あけましょう。
  5. 課題や問題提起をした場合「いかがでしょうか?」等相手へ発言を振る質問を挟み、その提起が浸透する時間として5秒~6秒はあけましょう。

コミュニケーションは話し手が主役ではなく、聞く相手が主役です。

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