How to be a Gentleman

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第13回
挨拶ひとつで、人間の格が見えてくる!


ある会合での出来事です。「どうも、どうも!!」と大きな声で、手を縦に振りながら、役職あるらしき男性が、和室の中央を大股でドカドカと横切って入ってきました。そして、床の間近くの空いていた上席に、何も言わずにドスンと座って、あぐらをかきました。とりあえず、その席の両隣の人にだけ、また手を縦に振りながら「どうも、どうも」の挨拶?をして…。会合は既に始まっており、10分以上もの遅刻です。皆さんも、こんな光景を目にしたことはありませんか?

現代の生活様式では、日本人も日本座敷を利用する機会が昔と比べ少なくなったとはいえ、この男性のように、座敷の作法を心得ないのには、日本人として残念に思います。

座敷での挨拶は、立ち上がらず座ったままでお辞儀をしますが、決して、お辞儀の前に座布団に座ってはいけません。座布団の下座側に正座をして、肩幅程度に広げた両手を畳につけ、前傾姿勢のまま、相手の顔をしっかりと見て挨拶をします。例えば、「初めてお目にかかります。○○と申します。本日はお招きいただきありがとうございます。」と、相手の顔を見ながら、きちんと挨拶をします。そして、頭を下げます。立って挨拶をする時も同じですが、「ながら」の挨拶、「ながら」のお辞儀はしないことです。
お辞儀は、正座の姿勢からゆっくりと腰を曲げ、前に出した両手の平がぴったり畳に付くまで頭を下げます。額と畳の間は30㎝ほどです。また、必ず左足から立ち上がります。昔の武士が袴の股立ちをつまんで歩いていたように、ズボンがすれる音はさせないように歩きます。

また、日本語も正しく使いこなしたいものです。朝、昼、夜の挨拶、そしてお礼の言葉まで、全てを「どうも」の一言で済ませてはいませんか?
お礼の言葉や、レストランなどで何かを依頼する時に、「すみませ~ん!!!」と叫んだりはしていませんか?
本来、「すみません」はお詫びの言葉です。お礼の言葉は「ありがとうございます」、依頼をする際は「恐れ入りますが…」と、日本語には美しい言葉があります。どれもシンプルな言葉だけに、意識して心をこめて言うようにしましょう。そんな心構えが、「品格」を作るのだと思います。

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