第8回
スイス流のもてなしを堪能する。
2011.07.19 [藤井 寛子]
「Grand Hotel du Lac, vevey」
昨年、世界のホスピタリティについて取材をするため、ヨーロッパに旅行をしたときのことです。スイスの母校「ヴィラ・ピエールフー」のマダム ネリ校長を訪問後、校長が推薦する、最高のホスピタリティを提供しているホテル、レストラン、ショップをご紹介いただき、オーナーの皆様にインタビューをいたしました。
今回は、その中の1つのホテル、“Relais & Chateaux(ルレ・エ・シャトー)”に加盟している「Grand Hotel du Lac , vevey(グランドホテル デュ ラク ヴェヴェイ)」についてお話したいと思います。
“Relais & Chateaux”とは、パリとニースを結ぶ国道7号線上にあったauberge(美味しい料理をゆっくり堪能できる宿泊施設付きのレストラン)のオーナーたちが結束して、1954年に創設したホテルとレストランの会員組織です。やがて、フランス全土に広まり、1956年以降はスペイン、オランダ、ドイツ、オーストリア、スイスのホテルが加盟し、国境を越えた最初のフランス組織となりました。2011年には、世界60カ国、500のホテル(レストラン併設が条件)とレストランがメンバーに決定しています。
メンバーは、書類審査、覆面審査の後、理事会で最終決定されますが、毎年全世界から多くの応募がある中で、認められるのはわずか20軒ほどのみ。また、入会後も三年に一度の定期覆面審査が行われ、除名となる場合もあるそうです。常にメンバーとしての質の高さが求められています。完璧なサービスとその土地の食材にこだわった素晴らしい料理の融合による、最高のおもてなしでゲストを満足させなければなりません。さらに、居心地のいい空間と素敵な時間の演出も必要となります。
オーナーのRandolph氏とともに
「Grand Hotel du Lac, vevey」は、1868年、モントルーにほど近い、レマン湖畔の素晴らしい風景の街vevey(ヴェヴェイ)に建設されました。五つ星ホテルの評価を受ける歴史あるホテルです。2007年にはパリの建築家ピエール・イヴロションによって、二年かけ宮殿風にリニューアルされました。若手オーナーChristopher Rudolph氏の指揮のもと、今なお多くの要人を迎え入れ、親しまれているエレガントなホテルです。
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