第26回
紅茶と健康
2012.06.26 [藤井 寛子]
5月末、英国で友人が70歳のバースデーパーティーを行いました。130人ほどの招待客を招いた盛大な英国の伝統的なパーティーでした。
パーティーの際、ご主人のスピーチの中に次のようなフレーズがありました。
「私は妻に、朝・昼・夕方・就寝前に決まった紅茶を愛情と共に毎日運び続けて45年。妻は私のおかげで、また私も紅茶のおかげで健康でおります(笑)」
私たち日本人は、「緑茶」を日常的に飲みますが、英国人は「紅茶」を飲む習慣があります。
「緑茶」には健康に良いとされる「カテキン」が多く含まれるといったことはよく耳にすると思いますが、「紅茶」にはどのような効果があるのでしょう。
実は紅茶は、おいしいだけでなく、体にとても嬉しい成分がたっぷりと含まれています。
英国の友人のように、起床時や食事の後、のんびりとしたティータイムなどに何気なく紅茶を飲んでいる人も多いと思いますが、実は紅茶がヨーロッパに入ってきた時は、単なる「飲み物」としてだけではなく、「病気をいやす薬」「東洋の神秘薬」としても扱われていました。
当時は科学的根拠があったわけではないと思いますがが、今では紅茶に含まれる成分や、それらが私たちの体にもたらす効果などが明らかにされてきています。
紅茶には、「タンニン」「カフェイン」「テアニン」という3つの成分を含みます。
タンニンは、コクや渋みの成分。
カフェインは、苦味や味の深み成分。
そしてテアニンは、紅茶自身のうまみ成分(アミノ酸の一種)。
中でも、健康に最も効果的な成分は、タンニンとカフェインです。
タンニンは、発酵の過程で「紅茶フラボノイド」というポリフェノールの一種に変化します。
これが、体を守る強い抗酸化作用を持っているのです。
またカフェインは、よく知られているように、大脳の自律神経を興奮させるため、眠気覚ましの作用や疲労回復の作用があります。
ハワイの友人はよく「健康のために」、コーヒーを紅茶の代わりに飲んでいます。
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