第30回
魚の丸焼きの美しい頂き方
2012.09.25 [藤井 寛子]
秋といえば「食欲の秋」。
さまざまな旬の食材をたっぷりと味わえる季節です。
旬の食材には、果物や野菜などもありますが、魚もそのうちの一つでしょう。
秋の魚といえば、秋刀魚(さんま)鯖(さば)鰯(いわし)などがあり、それらを丸焼きで頂くのが一番おいしい食べ方ではないでしょうか。
しかし、一尾丸ごと出されたとき、上手に頂くのはなかなか難しいものです。
焼き魚を食べるとき、「食べづらい」「きれいに食べるのが苦手」と考えてしまうことから、「丸焼き」を避ける方もいるようですが、心配は御無用です。コツさえつかめば、はしを上手に使って最後までキレイにおいしく頂けます。
1.すだちやレモンの扱い方
塩焼きには、すだちやレモンがよく付いてきますが、絞るときは果汁が周りに飛び散らないように、すだちやレモンを持っていない方の手で覆いながらかけましょう。
輪切りで出された場合は、はしで軽く魚の身に押し付け、香りをつけるとよいです。
使い終わったすだちやレモンは、西洋料理と同じように、皿の右奥に置きます。
また、もし種が出てしまったときは、手でつままず、はしでつまんで皿の右奥に置きましょう。
2.上身を食べる
魚の丸焼きは通常、頭が左側、尾が右側で出てきます。
頭に近い背からはしを入れ、頭から尾に向かって上身を食べていくとキレイに食べられます。好きな場所から崩して食べていくと、なかなかキレイに頂けません。
外した背びれ、胸びれ、小骨、内蔵などは、1と同様に皿の右奥にまとめて置きます。
3.中骨を外す
上身を食べ終えたら、魚の頭を片手で押さえ、はしで滑らせながら中骨と下身を浮かせ、尾を持ち上げると、中骨を頭ごとキレイに取ることができます。
汚れた指は、懐紙やハンカチなどで拭きましょう。
4.下身を食べる
取った中骨は2つほどに折って、皿の右奥に置きます。
下身を食べるときは、西洋料理と同様に左手前から頂きます。
5.食べ終えたら
残った骨や食べ残しは、皿の右奥にまとめて置き、すだちやレモンなどで覆い隠しておくとキレイに見えます。
コメント