第34回
雪吊り(ゆきつり)
2012.12.11 [藤井 寛子]
「今年は、大雪にならんとけばいいがにね~」
と、拙宅の庭で雪吊り(ゆきつり)の準備をしていた庭師が話していました。
北陸の冬は早く、雪が降ってからでは間に合わないので、雪吊りは早めに行われます。
私の家の庭は、決して立派なものではありませんが、この雪吊りは毎年欠かせません。拙宅のような個人の家をはじめ、街路樹や公園、そして金沢の名所でもある「兼六園」でも、11月早々から雪吊に取り掛かります。
雪吊りとは、縄で枝を吊って雪の重みで枝が折れないようにすることで、特に松の木は常緑の葉であるため、もっとも念入りに行われます。
兼六園の雪吊りは、単なる職人のなせる「技」であるだけでなく、芸術家による「作品」のようでもあり、毎年県民のみならず多くの人々に楽しませる「儀式」のようにも感じられます。
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