第1回
節分の送り方
2013.02.12 [藤井 寛子]
本来、節分とは、立春、立夏、立秋、立冬それぞれの前日をさしていました。しかし今日では、立春の前日だけを節分とするようになりました。
節分の行事といえば、通常「豆まき」のみ行うものと思われていますが、この日を農作業の始めとし、農作業の準備に入る農家も少なくありません。
また、多くの地域では、炒(い)った豆を神棚に供え、おはらいをした後、年男が「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまき、豆を年の数(地域によっては数えの年の数)だけ食べることで、福運や無病息災を願うとされています。
ある地域では、鬼の嫌いないわしの悪臭で鬼の侵入を防ぐため、いわしの頭をひいらぎの枝に刺し、玄関先などに飾るというおまじないのような風習も残っています。
ちなみに、私の地元である金沢市の一部では、今でも不思議な風習が残っています。
「福は外、鬼は内」と唱えながら豆をまくのです。
というのも、この地域ではその昔、一匹の鬼がひょいと迷い込んできた家が、節分後に栄え、お金持ちになったという言い伝えが残っていることから、「節分の日には鬼が宝物を持ってやってくる」とか「春と共に来る鬼とは、悪霊や悪事を鎮めるいわゆる“善鬼”である」といわれているためです。
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