カリスマシェフ栗本流イタリアン!!

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第13回
生で食べると梨 調理をすると芋
不思議な野菜 「ヤーコン」

皆さん、お久しぶりです!クリスマス、お正月はどのように過ごされましたか? 僕は料理人になって毎年のことですが、クリスマス・年末はお店でお客様に料理を提供し続けていたため、お正月はノンビリと過ごしました。

2012年も皆さんの幸せを、シェフらしく料理に託していきたいと思っています。
美味しいものを食べたら、誰でも自然に笑顔がでます。
これからも皆さんが笑顔になれるように、日々精進していきますので、今年もよろしくお願い致します。

今回ご紹介する野菜は、ヤーコン(YACON)。南米アンデス高地原産で、キク科の多年草(根菜)です。標高900~3300m地帯で、インカ帝国(14世紀ごろ~1533年)の時代から栽培されていた歴史ある植物です。

形はサツマイモに似ていますが、まったくでんぷんを含まず、ゴボウと同じキク科です。皮をむくと梨のようにみずみずしく、食べるとやはり梨のような食感と味がします。インカ帝国の時代も果物のように利用されてきたといいます。
生で食べるときはアクが強いので、皮をむいてから氷水にさらすといいですよ。ジュースにして飲むこともお薦めですし、加熱調理をすると芋のような食感に変わっておいしいので、こちらもお薦めです。

皆さんもご存知だと思いますが、キク科の植物はイヌリンやフラクトオリゴ糖を多く含みます。とりわけヤーコンは、フラクトオリゴ糖がとびぬけて多く含まれており、玉ねぎの数倍も含まれているんです。
フラクトオリゴ糖は、腸内でのビフィズス菌の増殖を促すといわれています。ヤーコンの成分は、全体の2.5%を占める豊富な食物繊維とともに腸内の有害物質を排出して大腸ガンを予防し、整腸作用や便秘解消にも役立ちます。
動脈硬化を防ぐといわれるポリフェノールの含有量も高く、赤ワインと同程度。カロリーは100gあたり54キロカロリーと、サツマイモの半分以下です。

また、血糖値の上昇を制御する成分も含まれており、根の部分だけでなく、葉や茎にも多く含まれているそうです。
葉茎部は1.5~1.8m(人間の身長並み)も伸び、葉はひまわりの葉に似ています。土の中にはサツマイモのような根を1株に10~20個もつけます。
栄養素は上記のほか、カテキン、フラボノイド、多糖類、テルペン類、ミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄など)を多く含み、根も葉もすべてにさまざまな効能成分がある、神秘的で体に役立つ野菜なのです。
ヘルシーで、ダイエットしたい時などに最適の野菜なので、メタボなどが気になる方、ぜひ一度食べてみてはいかがですか。

それでは、ヤーコンを使ったイタリアンのメニューと作り方をご紹介します。(次のページへ)

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