カリスマシェフ栗本流イタリアン!!

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第2回
なぜ?イタリア人は美しく、格好がいいのか?

みなさんこんにちは。

前回はイタリア料理とカッコよさ、鉄板のお話をしました。

いかがでしたか?

さて、みなさんはイタリア人と聞くとどんなイメージを持っていますか?私は、イタリアに行くまでは、イタリア人は遊び人が多い!あまり仕事をしない!なんて漠然と思っていました。皆さんの中にもそう思っている方がいらっしゃると思います。実はイタリア人は仕事を楽しみの一つとして、常に明るく陽気に仕事をしている方が多いのです。

当時私が働いていたレストランでも、キッチンでは料理人たちは歌を歌いながら料理をするのが当たり前でした。私が一年半修行をしたイタリアの地方、ピエモンテ、トスカーナ、ミラノ、どこでもキッチンの中では歌声が聞こえてきました。歌いながら仕事をするから、あまり仕事をしないといったイメージが出来上がったのかもしれませんね。ミラノのレストランは二ツ星だったのですが、とても賑やかなレストランでした。楽しみながらしっかり仕事をしていました。そこで彼らから学ぶことは、ほんとうに多かったです。

日本ではあまり考えられないですよね。ましてや二ツ星のレストランのキッチンで歌を歌っているなんて。私自身も華やかで、明るいことが大好きだったこともあり、イタリアの生活にすぐ馴染めたことを憶えています。私以上に彼らは人懐っこくて面倒見がよかったおかげだと思います。

そんな明るくて、いい加減そうに見えるイタリア人は、休みをたくさん取るために一生懸命働くのです。生活にメリハリがあるんです。「いい加減」こそが、一番難しいのかもしれません。

常によい「加減」を彼らは知っているのです。とにかく楽しむことが好き!仕事も食事も恋愛も遊びも何をするにも楽しむ。それが生き方や仕事の取り組みにも出ているのではないでしょうか。だから内面から格好よく、美しく見えるのだと。

前置きが長くなりましたが、イタリアンをカッコよく。これが私栗本流の料理の基本。

料理の世界に入ったとき、バスタパスタはオープンキッチンでした。お店の社長から「お前の包丁裁きは格好いいのか?お客様に見られているんだぞ!」と常に言われていたことを昨日のように憶えています。料理中の立居振舞、お客様へのアピール、盛り付けやサービスには、私なりにこだわっていました。そしてイタリアで修行してさらにカッコよさ、美しさ、楽しむことをしっかり学んできました。そんなことを意識しているといつしか心が豊かになり、身なりや表情に表れるのだとイタリア人のシェフに教わりました。

イタリア人は食を大事にしています。良いものを体の中に取り入れることで、体の中から美しくなる、ということを食文化の中で覚えていったのでしょう。

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