第4回
トマトの話
2011.08.09 [栗本 清]
夏は暑いので、つい体を冷やすことばかりしてしまいがち。クーラーをかけたまま寝てしまったり、冷たいものばかり食べてしまったり…。そんなことを繰り返すと、夏バテや夏風邪につながるばかりでなく、お肌が荒れたり、むくんだりもしてしまいます。
そこで、暑い夏を快適で健康に過ごすために、今回は栄養抜群の旬の野菜「トマト」を使ったお料理をご紹介しましょう。
まずは、トマトの栄養素について。
真夏の畑にたわわに実るトマト。特に「完熟トマト」なんて言葉を聞くと、甘くてみずみずしい、おいしそうなイメージが広がりますね。
トマトは、ビタミンCをはじめ、高血圧予防に効果的なカリウムや、ペクチンという老廃物や有害物質の排出を促進する水溶性食物繊維などが含まれ、風邪や生活習慣病の予防に大変効果のある野菜といわれています。
そして、リコピンというトマトの赤い色を作り出している成分には、強力な抗酸化作用があり、美肌や老化防止、さらに、がんの予防にも効果があるといわれています。
このように、完熟トマトがおいしいといわれるのは、単に水分や甘みが多いだけでなく、ビタミンCやリコピンなどの栄養成分がたっぷり含まれているからなのです。ですから、「カプレーゼ(トマトとモッツァレラチーズにフレッシュパジルを添えたサラダ)」などで生のトマトを食べる時は、なるべく真っ赤に熟したトマトを選ぶようにしましょう。
さて、今回ご紹介するレシピは、このトマトをたっぷり使った「ガスパチョ」です。
ガスパチョは、暑さの厳しい時期に食卓に並ぶスペインやポルトガルの家庭料理で、おいしいトマトが取れるイタリアでも、昔から暑い夏によく食べられているそうです。もちろん、私が働いていたイタリアンレストランのメニューの中にもありました。
ガスパチョは、「飲む野菜」ともいわれるように、野菜の冷製スープのこと。食欲がない時でも、おいしくてついたくさん飲んでしまうスープです。ぜひお試しください。
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