第4回
日本語教育能力検定試験にチャレンジしよう!
2012.05.01 [村上 充]
前回は、日本語教師になるための「資格」について、紹介しました。一般的に、日本語学校や海外での教師の採用は、「養成講座の修了」「大学・大学院で専攻」「日本語教育能力検定試験(以下、検定試験)」のうち、どれか一つの条件を満たしていることが求められます。プロの日本語教師として働いてみたいが、養成講座に通学したり、大学や大学院に入り直したりするのは大変だという方には、合格すれば、同等の知識を持っていると見なされる検定試験への挑戦をお勧めします。
さて、この検定試験ですが、第1回目は1987年に当時の文部省主催で実施されました。これは、80年代になって、日本語学習者が増加して、日本語学校も多く設立されたものの、中には、日本語教師として必要な知識や技能を持たないまま教壇に立つ人もいたことが問題となったことが背景にあります。1985年に国が示した「日本語教員養成のための標準的な教育内容」をもとに、教師の養成コースや大学の専攻が整備され、この検定試験も行われるようになったのです。
その後、毎年1回、検定試験は実施されています。本年度(2012年)は10月28日に全国7都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡(予定))で実施される予定です。
ところで、この検定試験では、50代以上の方の受験が毎年増加してきています。
検定試験に50代以上の受験者数が占める割合の推移
2011年度の受験者数は5,732人となりますが、そのうち、1,400人が50代以上の方で、全体の24.4%を占めています。10年前の2001年度では、5,513人中の640人で11.6%だったので、この10年で検定試験を受けるシニア世代が増えていることがお分かりいただけるでしょう。国内の日本語学校だけでなく、北京やベトナムでの現地取材などでも、パワフルに活躍するシニア世代の日本語教師に何人もお会いしたことがあるので、この傾向、納得です。
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