第1回
海外で日本語を教える人、学ぶ人 ~ベトナム編・前編~
2013.04.23 [村上 充]
皆さんは、ベトナムを訪れたことはありますか。また、ベトナムという国について、どんなイメージを持っているのでしょうか。私は、1年前、ホーチミン・シティとハノイで、日本語教育について取材してきました。今回は、現地で見聞きしてきたものや出会った人々の中から、印象に残ったエピソードを紹介します。
今、ベトナムでは日本語教育熱が盛んで、2009年の調査では、約4万4千人が日本語学校や大学で日本語を学んでいます。これは、世界で第8位の数となります。取材初日は、ホーチミン・シティの郊外にあるドンズー日本語学校を訪問しました。
ホテルから、学校へはタクシーで移動しました。噂には聞いていたものの、道路は、バイクの群れが縦横無尽に、爆音を響かせながら、走りまくっていました。タクシーの助手席から見る光景はレーシング・ゲームの様で、抜いたり、抜かれたりしながら走るバイクの大群を見て、「これで交通事故が起きないなんて……」と感心していたら、前を走っていたおじさんが車に衝突して転倒。しかし、次の瞬間には、何ごともなかったようにスクッと立ち上り、また、走り出しました。小さな事故は多発しているようで、結局、この日だけで、2件もバイク事故を目撃しました。
2人乗り、3人乗りは当たり前、現地の日本人ライターさんによると、1台のバイクに5人乗りする家族の姿もときどき見かけるそうです。歩行者は、道路を横切るときは、こういったバイクの波の中を縫うように渡らなければならなく、最初の一歩がなかなか踏み出せません。赤信号も少しスピードを緩めて、突っ込んでくるのです。ただし、覚悟を決めて、「ひけるものならひいてみろ!」と堂々と横切っていけば、なんとかなるものでした。
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