江戸の名残を歩く

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第37回
上野で大名屋敷の面影を訪ねる

2回にわたって、東京メトロ銀座線から下谷地域に江戸を探しに行きました。今回は銀座線と並行する形で地下を走っている都営地下鉄大江戸線から、下谷地域を歩いてみましょう。

新御徒町駅から地上に出ると、春日通りが走っています。その近くに佐竹商店街があります。日本で2番目に古い商店街ということですが、実はその名前が江戸を伝えているのです。

商店街入り口
商店街入り口の説明版

下谷地域は寺院が集中する寺町でしたが、大名の屋敷もありました。その一つが秋田藩佐竹家の屋敷でした。参勤交代の制度により、1年ずつ江戸滞在を義務付けられた諸大名は江戸に屋敷を持っていました。幕府が諸大名に広大な土地を与えたのです。これを大名屋敷と呼びますが、幕府から拝領した土地に建物を建て、大名たちは家来たちと共に共同生活を送ります。
大名屋敷には、上屋敷、中屋敷、下屋敷の3つがありました。上屋敷は大名とその家族が住む屋敷。中屋敷は隠居した殿様が住む屋敷。下屋敷は別荘のような位置づけでしたが、佐竹家はこの界隈に上屋敷を持っていました。

しかし、明治に入ると、大名屋敷の大半は政府に取り上げられます。佐竹家の上屋敷も例外ではありませんでした。一時期は軍用地として使用されましたが、明治17年(1884)頃より民間に払い下げられ、賑やかな商店街に変身していきます。

商店街内の休憩所

そして、佐竹家の屋敷跡だったことから、商店街の名前に佐竹の名前が付けられることになったのです。佐竹商店街の誕生です。
戦災により商店街の半分近くは焼失しましたが、戦後見事に復興を遂げます。現在もその賑わいに変わりはありません。

休憩所内の額

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