江戸の名残を歩く

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第39回
樋口一葉ゆかりの下谷を歩く

今回で下谷地域を歩くのは最後です。最後は、現在は台東区竜泉、かつては下谷竜泉町と呼ばれていた町を歩きます。この町は、五千円札の肖像画となっている明治の小説家樋口一葉ゆかりの町です。まずは、一葉ゆかりの場所を訪ねてみましょう。

一葉旧居の碑

東京メトロ日比谷線三ノ輪駅を出て、国際通りに出ます。地下にはつくばエクスプレスが走っていますが、国際通りを南に5分ほど歩くと、台東区竜泉の表示が現れます。竜泉3丁目にある一葉記念館に向かいます。

記念館
記念館前

一葉は明治5年(1872)に現在の千代田区で生まれましたが、その後上野に転居し、明治26年(1893)に下谷竜泉寺町に移り住みます。一葉は家族を養うため駄菓子店を営みますが、その頃の作品の一つが代表作「たけくらべ」です。この小説は、下谷竜泉寺町が舞台となっています。
館内には一葉の原稿のほか、下谷竜泉寺町の復元模型なども展示されており、一葉の短い生涯を追えるようになっています。
一葉が肺結核でこの世を去ったのは明治29年(1896)のことです。24年間のはかない生涯でした。

たけくらべ記念碑
菊地寛の記念碑

記念館に面して、一葉記念公園が立っています。園内には、昭和26年(1951)に建てられた「たけくらべ」の記念碑があります。一葉の旧友で歌人の佐々木信綱の撰文です。歌2首も刻まれています。公園前には、文豪菊池寛の撰文による記念碑もあります。これは昭和11年(1936)に建てられたものです。

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