第14回
みんな動いて生きている
2012.05.08 [田中 造景]
桜のあとの静けさが少し寂しく感じるけんど、里山や畑は盛り上がっておるがね。
春風も暖かく、とても過ごしやすい季節となってきた。
長島の唐芋畑
二十四節気の「清明」を越えて「穀雨」と移りゆき、今はもう「立夏(りっか)」。夏の気配が感じられるころになるがよ。一気に陽気が満ちてきます。
農家では、種まきの時期として忙しくなります。もう九州の南側は雨季に入ってくるね~。雨季の合間の晴天は、最高の美しさじゃね~。
庭道塾 マツのみどり摘み
あと10日余りで二十四節気の「小満(しょうまん)」(2012年は5月21日)、つまり万物に生気が充満する時期になります。
庭師にとっては、マキの春の刈り込みの時期。ヤマボウシ、カルミア、ヒメシャラ、エゴノキ、サツキやミカン類、またウツギ、タイサンボクなどが開花し、マツのみどり摘みも今ごろやがね。
「小満」を過ぎると、二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」(2012年は6月5日)となる。稲や麦など芒(ぼう=稲の実の針のような毛)のある穀物を植えるころとなり、樹木はネムノキ、クチナシ、アジサイなどが開花するがね。
3月後半から現在5月半ばごろにかけては、緑や大地が動く時期。
そうそう、体がちょっと「ダラーン」として、気が抜けたようになります。
こんなときは体も守らんといかんね。冬、体内に蓄積した悪い「アク」を良い「アク」と交換させんといかんね。良い「アク」とは、その為に春の旬のものが一番良いとされている。例えば、ワラビ・ゼンマイ・タケノコなど。
シャガの花
僕らはやはり緑なくして生きてはいけない。緑あっての人間じゃね。
山野草初夏の花が咲きはじめ、山歩きや森歩き、山登りなどをすると最高の初夏風景に出会える。
これは、林の下によく群生し、日蔭でもよく咲く「シャガ(アヤメ科・常緑多年草)」の花。
スズランの花
この薄く白いチョウのような花びらと謙虚な咲き方に「ウ~」と感動するがよ。
こちらはユリ科の多年草「鈴蘭(すずらん)」。ランの仲間ではない。自生地としては、十勝や八ヶ岳のふもとが有名です。愛らしくかれんで芳香もあるが、晩秋に熟す赤い果実には猛毒があるので注意。
水芭蕉
また、サトイモ科の「水芭蕉(みずばしょう)」もこの時期に花を咲かせます。バショウの葉に似たことから、この名がついた。
伊豆天城 河津七滝
この時期から、山歩きがとても面白くなるね~。緑のことを知ると、もっともっと山歩きが好きになるかも~。天気も5月から6月半ばにかけては最高じゃ~。
しかし、動物類には気を付けてくだされよ。母ちゃんが子供を育てる時期になり、攻撃的になるからね。自然は大変に怖いモノでもある。
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