今さら聞けないワインの話

バックナンバー

第10回
チョコレートより甘くとろけるワイン?!

リボンをかけた一輪の深紅のバラを手に、さっそうと歩くステキな男性を、以前ミラノの街中で目撃したことがありました。その日はバレンタインデーで、きっと意中の女性に手渡すものだったと思われますが、大好きな人がバレンタインデーにこんなことをしてくれたら、どんな女性でもクラっときますよね。私なんて、その彼を見ただけで、私がそのバラをもらうわけでもないのに、ついウキウキしてしまったのを覚えています。

海外でバレンタインデーは、男女問わず愛を伝える日とされていて、欧米では、男性が女性にお花とメッセージカードを贈るケースが多いようです。
そんなバレンタインデーの起源は、ローマ時代までさかのぼります。
兵士たちが愛する人を残して戦いに出ると士気が下がってしまうことを理由に、ローマ帝国皇帝が結婚を禁じたことがあったのですが、兵士たちを気の毒に思ったキリスト教の司祭「バレンタイン」は極秘で兵士たちの結婚式を執り行っていたのだそうです。しかしある日、それが皇帝にバレてしまい、バレンタインは処刑されてしまうことに…。それが2月14日だったので、以来その日が「恋人たちの日」として広まったのだそうです。
キリスト教では誰かの処刑された日がのちの記念日になることが多いようですが、バレンタインデーもこんな由来だったとは驚きですね。

さて日本では、某お菓子メーカーが「この日に好きな男性にチョコレートを贈りましょう!」と、ハート型のチョコレートを売り出したことが火付け役となり、女性から男性に贈り物をする日として定着してしまいました。最近では、女性同士やお友達同士でのチョコレート交換も行われているようですね!
しかし、毎年バレンタインデーにチョコレートを贈っている方も、今年は趣向を変え、ワインを贈ってみませんか?
今回は、バレンタインデーの贈り物にふさわしい、ワインのお話をしましょう。

第3回のコラム「ワインをプレゼントしましょう!」の中で、贈り物をする際、ワインに詳しくない方は、ラベル(エチケット)から選んでみましょう、というお話をしましたが、まさにバレンタインデーこそ、ラベルから選ぶと良いと思います。
ワインの作り手には、恋人たちのために作っている方々もいます。ラベルにハート型が描かれているものは、何かしら意味を持っているものが多いのです。また、ハートが描かれたラベルは本当にかわいらしく、贈る方ももらった方も、思わず笑顔になるような温かみを感じることができます。
では、私のお薦めを一つずつご紹介しましょう。(次ページへ)

コメント