今さら聞けないワインの話

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第17回
冷たくないシャンパンを飲んでみました

私は先日、初めての体験をしました。
「シャンパンを飲みに行こう」とお誘いいただいて、ウキウキしながら行った先で頂いたのは、な、なんと「常温のシャンパン」だったのです。
皆さまは、常温でシャンパンを飲んだことがありますか?
常温のシャンパンを想像できますか?

シャンパンを飲むときは、シャンパンクーラーで冷やして頂くのが常識だと思っていましたし、ソムリエの教本にも「シャンパンは10度前後まで冷やす」と記載されているので、その常識を覆された私は驚愕(きょうがく)しました。
さらに驚かされたのは、その常温のシャンパンが絶句するほどおいしかったこと!熟成を重ねた白ワインが発砲している感じなのですが、その香りの芳純さ、口当たりのまろやかさ、味わいの奥深さ、飲んだ後に残る余韻の長さは、これまで飲んだどのシャンパンよりも素晴らしかったのです。

ちなみに、1本目は「KRUG(クリュッグ)」を飲んだのですが、以来あれほどおいしいKRUGには出会っていません。
私はよくワインを女性に例えるのですが、このとき飲んだシャンパンは本当にあでやかで、美しい大人の女性のようでした。(参照:ワインLove)

こちらのシャンパンバーには、シャンパンクーラーがありません。どのシャンパンも、セラーから出された後、時間の経過と共に常温になっていくのですが、その過程を楽しんでもらいたいとのこと。
その話の通り、時間がたつにつれてシャンパンの香りが少しずつ開き、グラスを進めていくと共にどんどん香りと味が変わっていき、1杯目よりも2杯目、2杯目よりも3杯目とおいしく変化していくので、まったく飽きが来ませんでした。
「ほかのシャンパンはどうなるのだろう?」という興味から、私はその日、3本ものシャンパンを空けてしまいました(笑)。
十数杯のグラスを傾けましたが、どれも違う種類のシャンパンを頂いたかのような感覚でした。

考えてみれば、シャンパンは3年以上熟成されたものなので、同じヴィンテージの白ワインを飲むよりコクや奥深さがあるのは当然なのですが、常温で楽しむという発想は私には全くありませんでした。

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