CAソムリエのつぶやき

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第64回
眠らない街 ラスベガス

砂漠の中に出現するラスベガスの街。飛行機から見ると、まるでおもちゃのような様々な形の建物があり、上空から、気持ちを高めてくれる場所です。20代の頃、数回訪れたことがあり、その度に、普段よりかなり背伸びをして、夜になると、イヴニングドレスを身に着け、闊歩したのを思い出します。楽しかった思い出が多いせいか、先日、年明けに仕事で訪れた際も、どこかウキウキしていたのは確かでした。

ラスベガスと聞くと、きっと最初に思い浮かべるのは、「カジノ」ではないでしょうか?私は、カジノをやるわけではないのですが、なぜかカジノのフロアーにいると、あの場でしか感じられない高揚感に駆られます。きちんとドレスアップしたカップルを見るのも好きだからかもしれません。スタイルの良いカクテルウエイトレスが姿勢良くサーヴしているのが格好いいからかもしれません。普段あの音量の雑音を聞いたら嫌なはずなのに、あの場ですと、それすら気にならなくなるのも不思議なところです。むしろ、あの音が心地よくすら感じられるのです。夜中でも明け方でも、カジノのフロアーは、時間を錯覚するほど24時間動き続けているのです。どこにも時計がないのもその理由のひとつです。

ラスベガスのメイン通り、通称ストリップは、6.8kmの大通りで、左右にたくさんのホテルが立ち並びます。ひとつひとつのホテルの敷地が広いので、隣のホテルまで移動するのに時間がかかりますが、お散歩がてら大通りを歩いてみるのもかなり楽しいです。
ホテルによって、コンセプトが違うため、ひとつひとつを見学しながら歩くのもこの通りの醍醐味です。もちろん、きちんとしたレストランもたくさんあるのですが、どのホテルも「バフェ(ビュッフェ)」が充実しており、気軽にお食事したい時は重宝です。アメリカン、中華、洋食、和食にフルーツ、デザートとかなりメニューが多く、特に時間制限もないので、ゆっくりお酒を片手にも楽しめます。20代の頃は、「バフェ」巡りをしたこともあり、今でも、一番人気の「パリス」のバフェは記憶に残っています。エッフェル塔がそびえ立つエントランスも印象的です。バフェの中に入ると、まるで屋外のカフェでお食事を頂くかのような造りの内装。到底食べきれないほどのメニューの数々は、何から手を付ければよいのかわからないほどでした。

先日は、あまり滞在時間がなかったのですが、お食事だけはきちんとしようと思い、ベラージオのステーキハウスに行ってみました。ソムリエが常駐する格式高いレストランで、窓からの景色は、噴水越しに「パリス」を望める素敵なお席に案内してくださいました。そして、こちらで「パリスの審判」のお話を伺ったのです。1976年にパリで行われたフランスとアメリカの著名ワインのブラインドテイスティングで、赤ワインも白ワインも、アメリカのワインが1位を獲得してしまったというお話です。
どのワインを頂こうかとワインリストを眺めていると、その際、1位になったワインがリストアップされていることを教えてくださいました。アメリカ人のソムリエの方でしたら、胸を張ってお勧めできる最高のエピソードですよね!
結局、この日は、アメリカに居るのだから、アメリカのワインを・・・と思い、カリフォルニア ナパの5大シャルドネに挙がると言われているひとつ「コングスガード シャルドネ」を頂いたのですが、果実の凝縮感がとても感じられ、程よいミネラルとボリュームある樽香が華やかで素晴らしいワインでした。

ベラージオの噴水ショーは、時間帯により、15分か30分おきに、音楽に合わせて、噴水が踊りだします。「オーシャンズ11」のエンディングに、このベラージオの噴水を背景に、成功を称え、皆が解散していくシーンがあり、印象に残っている方や、他の映画などでも目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらは、無料で見ることができますので、ぜひ、実際に見てみてください。私は、初めて見た時は、感動して、涙が溢れました。

他にラスベガスで有名なのは、やはり、「ショー」ではないでしょうか。特に、シルクドソレイユのショーは有名ですし、人気もありますので、なかなか当日ですと良いお席を選ぶことはできません。もし、ラスベガスにご旅行が決まったら、インターネットでチケットを抑えておくことをお勧めいたします。
初めてシルクドソレイユを目にしたのは、23歳の時、ベラージオで開催されている「O(オー)」でした。水を使ったショーで、人間とは思えないほどの動きとしなやかさに感動したことが忘れられません。ひとえにシルクドソレイユと言っても、演目が違えば、内容はかなり異なります。それぞれストーリーがあり、良さも異なるため、好みが分かれるかもしれませんが、私のおすすめは、Wynn(ウィン)で開催されている「Le Reve(ルレーヴ)」です。中央のプールを使い、高さは天井までを使う迫力あるステージで、前方の席は、水しぶきを浴びるほどの躍動感あるショーです。お好みのショーを探してみるのも楽しいですよ!

最後に、ラスベガスといえば、ショッピングも挙げられると思います。以前は、「ノースプレミアムアウトレット」にも足を延ばしたこともあります。品揃えが良く、小さいサイズもあるため、日本人が訪れても、楽しめる場所です。トレンドのものを買いたい時は、「ファッションショーモール」がおすすめです。ニーマンマーカスやブルーミングデールなど、高級デパートも入っている為、飽きずにお買い物ができますし、良いものが揃っているので、夜のお食事の為のドレスなんかも簡単に探すことができるのも嬉しいポイントです。

ラスベガスに数日滞在するのであれば、陸路でヨセミテ国立公園やセスナでグランドキャニオンに行くこともできます。ラスベガスの街中とは打って変わって、雄大な大自然への旅ですが、現地からのツアーもありますので、そんな楽しみ方もおすすめです。セスナから見るグランドキャニオンは圧巻ですよ!

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