第18回
重力と脚
2013.05.28 [星野 正紀]
重力が存在することでボトムへヴィー(Bottom-heavy)形状が安定したイメージをつくり出し、逆にトップへヴィー(Top-heavy)は、いつ転んでもおかしくない不安定なイメージをもつものである。日本訳は、そのまま「頭デッカチ」。
もし、私たちのこの地球に重力が無ければ、私たち生物の体の形状は勿論のこと、つくり出されるすべてのモノのデザインが今とは違っていたでしょう。ボトムへヴィーやトップへヴィーのもつ安定、不安定のイメージは無かったと思います。トップへヴィーは転びやすい。これは、重力が有っての問題です。これは、重力によって「運動」が起きることを私たちは常識として捉えているため、それぞれのイメージを抱くのかもしれません。仮に無重力だと「運動」(=動き)が無いように想像してしまいます。1969年アポロ11号が月面着陸した際の映像を見ると確かに動きの鈍いものだった記憶があります。(それとも、映像技術が発達していなかったからスローモーションのように動きが遅かったのでしょうか? 私の思い違いでしたらスミマセン。)
タイトルからも分かる通り、地球上には重力があるため、モノの多くに「脚」が設定されています。(無重力空間でのアポロ11号にも脚がありましたが・・・)
重力があるから、「動き」が存在する。そこで「脚」が必要になってくる訳です。ちなみに、重力(ジュウリョク)は、「重」+「力」=「動」になります。「重いものに力を加えて動かす。」という意味でこの式ができたようです。
地球上に存在する生物は、脚、腕、または体のどこかで身体を支えなければならない。これは、生物に限ったことではなく、すべてのモノに対しても言えることなのです。自立させるモノには脚を設け、転がして置けるモノには、「転がした状態」の姿をデザインします。何れにせよ、天地(モノの上下)が存在することになります。道具としての使用時か待機時かで天地が変わるモノもあるでしょう。
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