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第5回
タンポポと鼓と西行

道端のタンポポ風景道端のタンポポ風景

日本人ならこれを見れば、誰でも分かるでしょう。ご存じタンポポです。タンポポには西洋のものと日本のものがあるのは、よく知られていることですが、タンポポがこれだけ知られるようになったのは西洋タンポポのおかげかもしれません。


西洋タンポポはまん丸です西洋タンポポはまん丸です

この西洋のものが日本にやってきたのはそれほど前ではなく、植物学者の牧野博士が言うには、1904年には北海道の札幌で欧品のタンポポが増えている情報があると表現しています。その頃には東京や関東では見られなかったようですが、その後西洋タンポポと名前がつき、1970年代には日本のものが西洋タンポポに駆逐されてしまうのでは、と騒がれたりしました。わずか70年ほどで全国に広まったことになります。
そして、今ではその辺で見られるタンポポのほとんどは西洋タンポポなのです。それだけ増えれば皆に知れ渡るのも道理と言えます。


これは関東にあるカントウタンポポですこれは関東にあるカントウタンポポです

日本のタンポポはというと西洋タンポポほど数は多くありませんが種類は多くあります。ただし、「日本のタンポポ」という言い方はあっても「日本タンポポ」という種類はなく、「タンポポ」という種類も存在しません。全て「何々タンポポ」と固有の名前が付けられています。
日本のタンポポは細かく分けると20種類くらいあるようですが、一般的なものとしては、エゾタンポポ、カントウタンポポ、トウカイタンポポ、シナノタンポポ、カンサイタンポポ、シロバナタンポポなどで、多くは地域の名前を冠しています。
全国に分布していて、それぞれの地域で種類が異なるのはタンポポくらいだからでしょう。

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