ライターHの“デジモノ”放談

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第27回
電子書籍は“第2の夜明け”を迎えるか!?

「電子書籍元年」といわれた2010年から、早2年が経過してしまった。この2010年は、国内でタブレット端末の「iPad」が鳴り物入りで発売された年。このiPad目当てで書籍だけでなく、雑誌や新聞といったコンテンツが次々に電子化された。一方では、iPhoneがスマートフォン人気をけん引し、今では破竹の勢いを見せるAndroidがiPhoneに追いつけ、追い越せという号令の元で頑張っていた頃でもある。

iPadの登場が1つの転換期になった国内の電子書籍市場。これを機に携帯電話を対照とした電子書籍から、スマートフォンやタブレット端末、そして電子書籍の専用端末へとシフトしはじめた

このように振り返ってみると、わずか2年の間でタブレット端末やスマートフォンの浸透ぶりには驚く。主力端末が端末携帯電話からスマートフォンへと替わり、パソコンにおいてもタブレット端末がその地位を奪おうとしている。過去を見ても類がないほど、主力の端末が様変わりした2年間といっていいだろう。

では、問題の電子書籍はどうか? さすがにタブレット端末やスマートフォンのような劇的な変化はみられない。それどころか、電子書籍市場規模をみると、前述した急速な端末の切り替わりにより、2011年は前年割れとなった。これは一部の電子書籍ストアが、携帯電話向け販売からタブレット端末やスマートフォン向けの販売に切り替えられなかったのが原因。おそらく今後は、緩やかに売上額が上昇していくと考えられる。

国内販売を始めた汎用Androidタブレット端末、グーグルの「Nexus 7」。1万9800円という価格で注目されている。同社ではNexus 7の国内発表会で、電子書籍コンテンツの販売する「Google Books」を始めることを明らかにした

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