第18回
その17“果実との交換(11)”–果実の育成法(2)–
2012.02.21 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、「自分が資産運用の凡人だと認めることの大切さ」についてお話しました。少々きついアドバイスだったかもしれませんが、客観的に自己分析した上で戦闘準備をしなくては、よい結果が導き出せないことも事実です。ですから、マーケットで動いている人間と比べ、皆さんは優位性が極めて低いということを認めるところからスタートしてください。
それでは、資産運用において優位性を持たない人々が良い結果を出していくためには、どうすればよいのでしょうか。
その答えの1つが、「国際分散投資」と称されるものです。これは、やり方自体は極めてシンプルなのですが、実は難しい運用手法です。何が難しいかというと、感情のコントロールです。
皆さんは、自分の資金が目の前で増減する様子を、淡々と眺めることができるでしょうか?
地球規模の経済成長に乗せる運用手法
結局のところ国際分散投資は、「予想をしない運用手法」といえます。
果実との交換(9)では、何も考えずに4つの伝統的な投資対象に均等に分散した場合の平均的なパフォーマンスについて触れました。その20年間の平均利回りを見ると、3.64%となっていましたが、この利回りをそのまま手に入れるためには、以下の2つのハードルを乗り越えなくてはなりません。
第一のハードルは、この平均利回りの計算において、皆さんが金融商品を採用する際のコストが反映されていないことですが、これはコストの低いインデックスファンドやETFなどを上手に活用すれば、最小限の(利回り)ダウンとすることができますから、特に問題ないと思います。
それよりも大きなハードルは、「予想をしない」というスタンスを徹底しきれないであろう皆さんの「感情」です。人はどうしても、「大きな損をしたくない」「より速いペースでお金を増やしたい」という感情に支配されがちです。…と書くと、「いや、自分は大丈夫!」と思われる方も多いと思いますが、大半の人は、感情的に資産運用に臨んだ結果、利回りの多くを失っています。
そこで、予想をしない資産運用における具体的なハンドリング例をご紹介したいと思います。ご自身のリアルマネーを投入することを想定して、そのハンドリングが本当にできるかどうか、ぜひ考えてみてください。
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