第9回
その8 “果実との交換(2)” –債券投資 後編–
2011.08.09 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、直接金融の代表的な2つの手段のうちの1つ、債券投資についてお話をしました。
債券投資とは、誰かにお金を貸す代わりに高い金利をもらう投資手法であり、『債券』とは借用証書の位置づけであるということでした。今回のコラムでは、その借用証書を下取りに出す場合を考えてみたいと思います。
債券の現金化
債券投資とは、お金を貸す行為です。
これは、皆さんが住宅ローンを組むのと同じ行為ですから、お金を貸す前に2つの条件が定められることになります。
それは、『返済期間』と『金利』です。
返済期間が満了するタイミング(満期)を待てば、(貸した相手が元気でいる限り)約束通り、予め定められた利益と元本が必ず戻ってくることになります。
ですから、一度、債券投資をスタートしたならば、満期まで放置しておいてもいいと考えて差し支えないのですが、今回は、満期の前に現金化する場合を考えていきます。
もし、皆さんが、『10年間、金利3%』の条件で、お金を貸した7年後、つまり、満期まであと3年というタイミングで、急にお金が必要になったらどうしますか?というお話です。
貸した相手に『早く返してくれ!』と言っても、聞き入れてもらえないという前提で考えていきたいと思います。言われてみればこれは、当たり前ですよね。例えば、住宅ローンを毎月きちんと返している人に対して、銀行は『すぐに残りを全部返してくれ!』とは言えませんよね。債券投資でも同じです。
最初の約束を覆して、自分勝手に返済期間や金利を変更することはできないのです。
では、どうすればよいのでしょうか。お金を貸してから7年後、どうしてもお金が欲しい状況になってしまったのです。
その答えは、『債券を第三者に買い取ってもらう』ということです。債券投資にチャレンジするのであれば、この時の下取り価格の考え方を、マスターしておく必要があります。
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