第10回
その9 “果実との交換(3)” –株式投資 前編–
2011.08.30 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回、前々回のコラムでは、直接金融には、代表的な2つの手段があることと、そのうちの1つは債券投資であることをお伝えしました。
ポイントは、資産運用による『利回り』という果実は、幸運を願うことによってもたらされるものではなく、皆さんが、提供する『何か』と交換条件で提供されるものだということ、そして、債券投資における『何か』とは、『ある一定期間、皆さんの大切なお金を貸してあげること』だと言い換えることができ、その見返りとして、予め定められた利回りを確保することができたということの2点でしたが、ここは、しっかりとおさえておいてほしいと思います。
資産運用における利回りは、天から降ってくるものではありませんから、常に、皆さんの利回りと言う果実の源泉を意識しておくことは、とても大切なのです。
今回のコラムからは、直接金融の代表的な2つの手段のもう1つである『株式投資』がテーマとなります。この投資手法は、債券投資とは、全く異なるのですが、よい投資効果を期待する為に必要となる共通のことが1つあります。
それは、『相手選びが肝心』だということです。
誰にプレゼントするか
株式投資とは、お金をプレゼントする行為です。
つまり、株式投資において、皆さんが提供する『何か』とは、『皆さんの大切なお金をプレゼントすること』なのです。
自らのお金を、赤の他人にプレゼントする代わりに、『利回り』を期待する行為が株式投資だということになります。まずは、これを身近な例で考えてみたいと思います。
株式投資における適切な相手を友達に例えてみましょう。『仕事への熱意を持っていて、アイディアも豊富で、やる気や活力もあるが、何らかの事情で、今、資金がない人。資金さえあれば、それを有効活用して、更に事業を拡大し安定的な利益を生み出す事が期待できる人』となります。
補足ですが、これに対し、債券投資における適切な相手を友達に例えてみましょう。『本来はしっかり者だけれど、何らかの事情で、今、資金を必要としている身元がはっきりしている人。約束を守ってくれることが期待でき、信頼できる人』となるかと思います。
もし、皆さんの身近な知人友人の中にそのような人がいて、余剰資金を持っている皆さんに資金の提供を依頼してきたとするならば、皆さんはどうしますか?
しかも、その人は、こう言っています。
『きちんと、応分のお礼をするから!』
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