第11回
その10 “果実との交換(4)” –株式投資 中編
2011.09.13 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、株式投資の概念を以下のようにお伝えしました。
『お金を返す気がない赤の他人である法人(企業)に、曖昧なお礼を期待して資金をプレゼントする』投資手法が株式投資というものであり、プレゼントした資金は、返金されることはない。
この概念を見て、残念に思われた方がいらっしゃったかもしれませんが、株式投資とは、資金を出資する行為ですから、これは仕方のないことです。資金の提供を受けた企業は、それを有効活用して、新たな利益を生み出すために動き出しているので、すでに金庫から現金がなくなっている可能性もあるのです。
では、一度、出資した人、つまり株主が、その資金を回収するには、どうすればよいのでしょうか。
今回のコラムでは、この答えを考えてみたいと思います。
株主の権利
株という言葉を聞いたことがないという人はいないと思いますが、『株券って何?』と聞かれて、即答できる人は少ないのではないでしょうか。(皆さんも、この質問の答えを考えてみてください。)
少し難しく感じるかもしれませんが、この答えは、意外にシンプルです。
先ほど、『株式投資とは、資金を出資する行為』とお話しましたが、株券とは、この出資の事実を証明するものと言い換えることができます。
つまり、質問の答えは『出資証明書』ということになるのですが、この『出資証明書』には3つの権利がついてきます。
それでは、出資した人が、その見返りとして手にすることできる3つの権利を、それぞれ見ていきましょう。
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