負けないぞ!賢者の資産形成術

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第23回
その22 “目標収穫高の具体的な考え方”

皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、資産運用における目標設定の意義をお伝えしました。
お金には、「いくらあっても困らない」という厄介な魅力があるので、人はどうしても、目標利回りを徐々に高いレベルへと設定していきがちです。最初は、謙虚に銀行預金より利回りが良ければいいと考えていたとしても、他人の武勇伝を聞いているうちに、自分もその利回りが欲しくなってくるものなのです。
高い利回りが欲しくなること自体は悪いことではないのですが、ハイリターンを目指すことにより、必然的に高まっていくリスクに対しては、注意が必要です。気づかないうちに、かなりギャンブル性の高いカケにのってしまっていた、というケースは少なくないのです。
ですから、皆さんがこれから資産運用にチャレンジしようと思うのであれば、いつでも正気を保っていられるように、心の中に絶対的な「ものさし」あるいは「羅針盤」を持つ必要があります。
では、その「ものさし」や「羅針盤」を持つためには、どうすればよいと思いますか?

満足できる未来を思い浮かべる

結局のところ、人が資産運用にチャレンジする共通の理由は「お金を増やすため」なのですが、皆さんにはまず、その増やしたお金で何をしたいか、つまり何を手に入れたいかを具体的に考えて頂きたいと思います。
例えば、「いつかはすてきなマイホームを」と考えるのではなく、「10年以内に、5000万円程度のマンションを」と考える。または「ゆとりある老後を」と考えるのではなく「夫婦二人で、月々35万円以上使える暮らしを」と、具体的に考えるということです。
すると、皆さんのたいていの希望に値段をつけることができますし、それができるようになると、下記の3つの要素から、資産運用でどれくらい頑張らなくてはならないかが分かります。

1.現在の保有資産
2.今後の収支(見込まれる収入と、予想される支出)
3.納期(いつまでに1と2の差を埋めればいいか)

後日のテーマになりますが、納期までに1と2の差を埋めるために必要な利回りを意識することが大切です。
そして、この計算により求められた利回りをよくよく眺めて、その数字が自分の資産運用の合格ライン、また満足ラインだと強く意識する必要があるのです。
もちろん、皆さんの資産運用の結果が予定以上に良ければ、グレードを上げたマイホームが手に入ったり、よりすてきなセカンドライフを送ることができるようになったりするかもしれませんが、あくまでそれは結果論であるという割り切りも必要です。

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