第16回
その15 “果実との交換(9)” –過去の果実 その平均–
2011.12.27 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、国際分散投資において、伝統的で、最もベーシックな投資対象である以下4カテゴリーについて、過去の値動きを確認しました。
①国内株式
②日本国債
③外国株式
④世界債券
過去20年間の値動き(対前年比)を見て、どれも本来は魅力的な投資対象であるにもかかわらず、皆さんの大切な100万円が(表中の20年間で)3800万円以上になったり、10万円以下になってしまったりする可能性があることをご理解いただけたかと思います。
このように、もっともベーシックな4つの投資対象の中から、自分のお金の投資先を選ぶだけでも、その結果は天地ほどの差が生じるのが資産運用の世界ですから、多くの人が、それをギャンブル的なものとして感じるのは、無理ないと思います。
では、結局のところ、資産運用とは運を天に任せるしかないのでしょうか?
その答えは『否』です。
もし、皆さんが、『大もうけをしたい』気持ちを完全に捨てることができれば、チャンスは大いにあります。
前回の表に、数字を追加した表をご覧ください。
アセット別年間収益率ランキング
それでは、早速、解説してみましょう。
前回のコラムでご確認いただきました通り、4つの投資対象それぞれは、毎年ジェットコースターのような値動きをしています。
例えば外国株式の対前年比を見てみると
●2003年・・・20.6%の伸び
●2004年・・・10.1%の伸び
●2005年・・・24.7%の伸び
●2006年・・・23.8%の伸び
●2007年・・・4.3%の伸び
となっており、この5年間で2倍以上の数値になっていることが分かります。
( 120.6%×110.1%×124.7%×123.8%×104.3% = 約213.8% )
ところが、その翌年となる2008年は、リーマンショックに代表される様々な混乱があり、-55.9%という大きな下落となってしまっています。
結果として、5年間で2倍以上になって喜んでいた人たちも、あっという間に元本割れになってしまったことになります。
( 213.8%×(100%-55.9%) = 約94.3% )
これだけ見ると、たった5%強の損失ということになりますが、実際には、リーマンショックの直前から、投資ブームに乗って、資金を投入してしまった方も多いはずです。
皆さんに、この表から読み取っていただきたいことの一番大切なことは、単独の投資対象に資金を投入した場合、わずか数年で倍になったり半分になったりする可能性があることです。
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