第5回
夢のマイホームは、夢なのか(前編)
2013.06.11 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、私たちの日々の生活に直結する「物価」について考えてみました。2013年に入り、円安の影響もあり、ジワリジワリと物価が上がっていることを実感している方も多いと思います。でも、最近上がってきているのは、物価だけではありません。
ご存じの方も多いかと思いますが、今月(6月)になってから、都市銀行は一斉に住宅ローンの金利を上げてきました。これは、住宅ローンの金利を設定する際に指標とされる長期金利の上昇によるものですが、私たちの預貯金の金利は据え置かれたままです。
すでに変動金利で住宅ローンを組んでいる人はもちろん、近い将来住宅購入を検討している方にとっては、来年からの消費税率アップと共に負担増の要因が増えたことになりますね。
このような状況になると、「どうしたらいいか分からない」「困ってしまう」と嘆く方も増えてしまうのですが、このようなときこそ、一時的な感情で物事を判断するのではなく、客観的なデータと根拠に基づく冷静沈着な判断で、的確な対応をとっていただきたいと思います。
■住宅購入にまつわる2つの誤解
さて早速ですが、これから先、住宅ローンと上手に付き合うために、または賃貸住宅と上手に付き合うために、必要となる知識を整理していきましょう。
皆さんは、下記のような言葉を聞いたことはありませんか?
1.「家賃を払い続けていても、ドブに捨てているようなもの」
2.「家を買った人は、自分に万が一のことがあったときに持ち家を家族に残すことができる。つまり住宅ローンの支払いが免除されるから、お得」
この2つの言葉はいずれも誤解なのですが、不思議なことに日ごろきちんとまじめに仕事をしている人たちが、この誤解を検証もせずに盲信してしまっている現象が日本全国、津々浦々で見受けられます。
この2つの誤解を解かないまま今後の住宅計画を検討しても、それが不毛なものとなってしまう可能性が高いので、ここでしっかりと整理しておきましょう。前編となる今回は、1の誤解を解いていきます。
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