フロム・ナウ的失敗しないマンション選び

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第8回
マンション選びは「地盤」にこだわる

≪震災後のマンション選び・2つのポイント≫

はじめに、今年におけるマンション選びのポイントについて簡単に振り返っておきましょう。

まず、「坪や平米あたりの単位価格に注意しましょう」ということ。それから、「好立地なマンションに注目しましょう」いうことでした。これは、日当りや眺望が良く、かつ買い物や交通の便も良い、非常に魅力的なものが多くみられるようになってきたためです。

そして今回は、東日本大震災を経て特に気をつけたいポイントを考えてみたいと思います。

《その1~地盤にこだわる》

まずは、マンションの「地盤」について。

今回の地震により各地で液状化が発生し、多くの方が地盤について気にしていると思います。では地盤に関する情報を入手するにはどうしたらよいのでしょうか。

地震、洪水、津波など、自然災害はさまざま。これらの危険度を周知するため、各市町村では「ハザードマップ」が作成されています。みなさんがお住まいの地域のハザードマップも一度ご覧ください。ここでは東京都江東区について取り上げてみます。

まずは、東京都が直近に作成した「第6回東京都地域危険度測定調査(2008年発表)」を見てみます。江東区は、「沖積低地」といって、主に海面下の堆積物でできている地盤のため軟弱で、地震が起きた場合は揺れが増幅されやすく、被害が発生しやすい地域です。また、液状化も起こりやすいといわれています。この地盤は、江東区だけでなく東京都東部で広く見られるようです。

ただし、この調査結果を見ると、町や丁目ごとに危険度がまちまちであることもよくわかります。つまり、一概に「○○区は安全」とか「××区は危険」ともいえないのです。

また、東京湾に面した埋め立て地域は「液状化が怖い」とよくいわれますが、報告書第2章建物倒壊危険度P23によると、江東区は液状化が発生する可能性のある面積が少ない地域であることがわかります。むしろ、荒川流域や多摩川河口付近の方が、その危険度が高いようです。

このように、ちまたで聞かれる噂と実際のデータとでは、かなり違いがあることがわかります。

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