フロム・ナウ的失敗しないマンション選び

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第9回
マンション選びは「建物」にこだわる

マンションを選ぶ時、地震対策の1つとして「建物の品質・構造についてこだわりたい」と考えるのはごく自然なことです。
そこで、注目していただきたいポイントが2つあります。

まず、一般のマンションより更に高いクオリティーを建物に求めたいとき、「長期優良住宅」というものに注目してみてください。この制度は、2010年6月に施行された法律で、国が住宅の品質を更に高めるために行っている認定制度です。
戸建て住宅には普及していますが、この認定を受けたマンションはまだまだ少ないのが現状です。この認定を受けるためには、現状の耐震基準の1.25倍の躯体の強度が求められます。これは、現状のマンションより更に地震に強いマンションといえます。

また、消費者のメリットとして、住宅ローン減税の増額、不動産取得税や固定資産税などの減免、建物の長寿命化やバリアフリー化への優遇措置など、さまざまなものがあります。消費者にとっては、安心感とコスト的メリットを両方享受できる制度ですので、ぜひこの「長期優良住宅」をキーワードにマンションを探してみてください。

2点目に、地震の揺れについて考えた時、思い浮かぶのはやはり建物の構造です。中でも、「免震構造」のマンションはぜひ検討していただきたいところです。
「高層マンションやタワーマンションは揺れが大きくて怖い」などと言われていますが、そういった報道は単純すぎではないかと思います。
確かに、昭和40年代に建てられた高層ビルなどは揺れが大きいですが、これは揺れることで建物への損傷を防ぐ構造になっているためです。当時はそれがベストとされていたのです。
しかし今のマンションに関しては、タワー化して超高層となったのはここ10年ほどのことであり、その多くはより技術の進んだ構造を持っています。そして、地震の揺れそのものを抑える構造を持つものも現れてきました。
つまり、地震への強度、あるいは揺れの大小は、建物の高さによるものではなく、建物の基礎や構造にあるのです。

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