第10回
「スマートシティ」これからの街が変わる
2011.09.06 [斉藤 ヒジリ]
最近、「スマートシティ」という言葉をよく耳にしませんか。
「資産価値の高いマンションとは?」についてずっと追究してきた私としては、このキーワードはとても気になります。なぜなら、スマートシティがもたらす街の価値変化に伴い、マンションの資産価値にも影響が出てくるだろうと思うからです。
でも、スマートシティとは一体何でしょう。洗練された街?エコな街?最先端な街?
言葉があいまいで、定義も人によってばらつきがある気がします。
そこで今回、このスマートシティについて、2回に分けて解説していきたいと思います。
《スマートグリッドとは?》
まず、スマートシティについて考える前に、この言葉の元について知る必要があります。それは、「スマートグリッド」です。
スマートグリッドは、直訳すると「賢い電力網」。これは、アメリカで2000年頃から始まった取り組みです。
そもそもアメリカでは、広大な国土に約30万km以上もの電力網が配置されていますが、電力需要の急増に対して供給が追いつかず、また送電線網の老朽化などの問題もあったことから、各地で停電が頻発し、経済的損失も問題化されていました。
そうした中、IT技術によってリアルタイムに電力消費量を把握し、効率的な発電・送電をしようという考え方が生まれたのです。
現状の電力網システムでは、各家庭やオフィス、工場などで消費している電力量をリアルタイムに把握することができません。個々の電力メーターで消費電力の積算量は把握できても、それ以上のことはできないのです。
しかし、新たな電力メーター(スマートメーター)を使えば、データ化された消費電力量が通信ネットワークによって電力会社に伝えられ、電力会社は全体の消費電力量をリアルタイムに把握でき、供給量を調節することができるのです。また、より細かく電力需要量が予測できるため、需要のピークに合わせて進められてきた発電所や変電所の設置計画が、もっと効率化されるようになります。つまり、設備投資が大幅に削減でき、必要以上に発電することもなくなるため、省エネにも役立つことになるのです。
だから「スマートグリッド」、すなわち「賢い電力網」というわけです。
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