フロム・ナウ的失敗しないマンション選び

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第16回
老後に住みやすい街とは?

今回からは、マンションを選ぶ際に見落としがちな、少し細かい点についてお話します。
老後は自宅で過ごすことも多い一方、近隣へ出向くことも多くなります。したがって、周辺の環境がどのようになっているのかをチェックすることも大切です。これまで仕事一辺倒で、自宅と会社の往復ばかりだった方も、自由な時間が増え、自宅を中心としたさまざまな場所で時間を過ごすことになると思います。
そこで、将来に渡って快適な生活をしていく上で、重要なポイントを考えてみましょう。

《フラットな環境》

老いて足腰が弱くなると、階段や坂道の上り下りなどは特に辛くなります。一般的に環境の良い住宅街は高台にあることが多く、若いときはなんの不自由も感じなくても、高齢になると、日々非常に苦痛になるといいます。
私がよく耳にするのは、とにかく「フラットな街が過ごしやすい」ということです。つまり、駅や商店街までの道のりが、なるべく平坦であることが望ましいのです。

マンションの敷地内においても、注意が必要です。構造上、エントランスのアプローチに、階段やちょっとした段差があることがあり、そこに手すりがあればよいのですが、ない場合は高齢者には「障害」となってしまいます。
また、裏口や駐車場に通じる出入り口にスロープなどが設けられていない場合、車椅子などでの移動が困難となります。最近は超高齢社会を迎え、こうした点に配慮されているマンションも多いのですが、マンションの敷地の形状や規模などによっては、行き届いていない場合もあります。
このように、これから老年期を迎える方々は特に、マンションおよびその周辺のバリアフリー化について注目すべきでしょう。

《周辺環境(医療施設・商店街)》

高齢者になると、通院することが多くなり、それが日課となることも少なくありません。近所にさまざまな診療科目のある病院があると、何かあった時も安心ですし、通院時間や交通費も少なくて済むので便利です。高齢になってから、総合病院の近くに転居を考える方が多いのも事実です。

年を経るに従って、買物の仕方が変わる可能性もあります。現役時代は少ない回数でまとめ買いしていた人も、リタイヤ後は必要な都度、買い物をする傾向があります。時間にゆとりがあることも理由の一つですが、重い荷物を持って移動するのが徐々に辛くなるせいもあるでしょう。
また、郊外型の大型スーパーは、構造上、店舗内を大きく巡回するように造られているため、入口から出口までの距離が長く、お年寄りにはかなりの負担がかかります。

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