第9回
株式会社LIXIL シニアライフカンパニー 社長が現場に腰を据えて取り組むホーム
2011.09.20 [木原 洋美]
「介護は人」をスローガンに一致団結!
介護はやっぱり「人」が大事
「ホームは家」と前回書きました。
今回は「介護は人」というお話です。
どんなに建物や設備などが立派でも、介護してくれる「人」が冷たかったり、怖かったりしたら、快適なホームとはいえませんよね。
設備などは、お金さえかければ立派なものができますし、理念なんかも、コンサルタントや広告代理店に頼めば、耳触りのいいものをつくってもらえます。
でも、真心があって、スキルも素晴らしいスタッフを確保するのはなかなかむずかしいもののようです。
たとえば去る8月23日に、(財)介護労働安定センターが発表したデータによると、この1年間の訪問介護員・介護職員の離職率は17.8%で前年より0.8ポイント増加しています。
最大の問題は、人材を定着させるだけの給与水準なのだそうですが、そういった介護に携わる人たちの処遇や教育的なことって、見学に行っても見極めるのは困難そう。
「女性の勘を信じていいと思いますよ。ホームに行ってみて、立派なのに雰囲気悪いとか、スタッフが冷たい気がすると思ったら、よくないホームと思って間違いない」と、あるホームの施設長さんは言っていましたが…。
それもありとは思いますが、思い切って社長に会ってみるのも、マスコミの特権的には“大いにあり”というわけで、今回は株式会社LIXILシニアライフカンパニーの佐藤功社長にインタビューしてみました。
とはいっても、社長なら誰でもいいって訳じゃありません。(念のため)
「介護されるまで生きていたくない」
「私はね、弊社の社長になるにあたって、ヘルパー2級の資格を取得しましたし、大勢の人に会いに行き、教えを請いました。多くの施設の見学もさせていただきました。
それで感じたのは、介護される側になるというのは実につらいということです。極論を言ってしまえば、私は介護されるまで生きていたくないとさえ思います。だって、それまでの人生、尊厳、栄光などを、自分の力では守れなくなってしまう。特に認知症は厳しいですね。これは避けたくても自分の意思ではどうにもならないことなのです。ある意味その人の宿命といってもいいかもしれません。
ですからスタッフには、不運にもそうした状況になってしまった人のつらさをよく理解した上で介護しなさい、人間としての尊厳を一番に考えなさいと最初に言いました。」(佐藤社長)
実は佐藤社長には2回取材しており、上記は初回に聞いた言葉です。
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